「美しい母が、自分よりも若い男と再婚する…?」そんな母と娘の確執から始まり、男女の愛、女の友情…登場人物たちがゆるやかに繋がり、最終話のエピソードで一話目がより深く読めるオムニバス短編集。各話それぞれ「女」たちの切実さが胸に迫ります。話は知っているのに、何度読んでもグッときてしまう、この作品の魅力のひとつは「間」ではないでしょうか。登場人物がふと見せる表情、その微妙な変化。アップ。引きの画・寄りの画が、物語を読み進めていく読者の感情に、気持ち良いくらいシンクロします。恋愛劇はもちろん素晴らしいのですが、個人的に、第4話の中学時代の女友達の話に泣きました。気付いたら大人と呼ばれる年齢になってしまった「あの時話したささやかな夢」がある方に、是非。
投稿日: 2015年5月9日
文=山口文子
1985年生まれ。映画制作を目指して迷走中。歌も詠む。マンガナイト見習いで、執筆などをお手伝い。
女子高時代、魚喃キリコの『短編集』をきっかけに、安野モヨコ、南Q太などフィールヤング系を読みあさる。その後、友達と「週10冊ずつオススメ漫画を交換する」修行を数ヶ月行い、興味のベクトルが全方向へ。
思い入れの強い漫画に『BANANA FISH』、『動物のお医者さん』、『ナンバー吾』。岡崎京子の影響を受け続けて今に至る。
ふと自分の本棚を見てみると、数多くあるマンガの蔵書の中で女性作家の作品は圧倒的に少ないのですが、その中の一つがこちらの作品。本当に大好きな作品です。数年前に映画化したのでご存知の方も多いと思いますので、内容は割愛。私がこの作品を好きな理由は、他に類を見ない抜きん出た演出方法。コマ割りを2×4で左右に読ませ、次のページは見開き、また2×4に戻る。ある時は、猫が散歩したり昼寝している周りで、人間の絵は一切出ず吹き出しのみだったり。ベテラン漫画家であるくらもちさんの、マンガへの実験と挑戦を見る事ができます。初めて見たくらもちさんの作品は「アンコールが3回」だったのですが、そのオシャレな絵のラインや、破天荒でとことんわがままな主人公など、これまでにない少女漫画で衝撃を受けたのを覚えています。これからももっと斬新な演出方法を繰り出してほしいです!
投稿日: 2015年5月8日
文=ふじた
イベントではブース担当。食べ物に対する執着心は人一倍。
初めて読んだ漫画は「火の鳥 望郷編」で、意味もわからず絵だけをひたすら見てました。
その後「うわさの姫子」にハマり、漫画人生スタート。小学●年生、なかよし、ぶ~け、ハロウィン、週間マーガレットなどを購読。1997~2001年頃のヤングサンデーの連載陣に好きな作品が多いです。
結構なラーメン好きの私が、表紙とタイトルだけで釣られて買ってしまった本作。孤独のグルメみたいなものを想像してたらなんとラーメンを取り巻く人間ドラマ。してやられた。上下巻なのでさくっと読めるところも魅力。それにしてもラーメン食べたい。
投稿日: 2015年5月7日
文=kukurer
マンガナイト内では極稀にイベントと極稀にライターを担当。月刊少年ジャンプ・マガジン・りぼん・ちゃお・週刊マガジンで幼少期、多感な時期を花とゆめと同人誌で過ごしました。
ハチミツとクローバー、not simple、高台家の人々、彼女とカメラと彼女の季節、夏の前日を通年推しています。わりと短編や短めのマンガが好みです。
マンガ以外の趣味は、ダイビングとスノーボードと映画。肉とかにみそが好物です。
せっかくの休日に家でモタモタしてしまい、夕方になってから「1日を無駄にしてしまった!」と嘆くことがある。そんな時に思い出したマンガ。舞台こそ昭和中期であれ、このマンガは現代人が見ても恥じない「無駄な1日」のカタログになっている。天井の木目を見続けて/アパート内の物音に耳を澄ませて/ジャズ喫茶で10時間粘って、1日を過ごす内容が、延々5巻165話にわたって繰り広げられる。タイトルに「マニュアル」とあるように、当初は説明書きが多くハウツーモノを目指していたフシがあるが、しだいに日常エッセイの趣に舵取りされ、近隣の仲間たちとのハートウォーミングなやりとりを中心とした作風へと変化するには10話を待たなかった。主人公のコースケからして、初期は感情をあらわに、それなりにマンガらしい動きをしていたのが、連載も安定してくるにつれだんだんと表情が薄くなり、セリフすら殆ど発さなくなる。そして時にそのストーリーの展開は禅味すら帯びてくる。マニュアルが経典と化す瞬間である。こういった形で、ある意味ぜいたくな時間の使い方を示されると、帰らない時間を思い少し「きゅんとし」てしまう。もしも現代版があるならば、寝床から起きたり戻ったりしながら、スマートホンのゲームをしたり、録画して既に見たタモリ倶楽部をまた見たりして無為に1日を終えてしまうコースケの姿を1編に加えていただきたい。
投稿日: 2015年5月6日
文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。
食料統制により、市場に流通するのは合成食品のみとなった未来。それでも危険を冒し、大金を払って、裏の世界で取り引きされる本物の肉や魚や野菜を使った「自然食品」ーー前時代から保存されてきた冷凍食品(冷食)を食べることに執着する人々と、彼らを取り締まる「冷食捜査官」を描いたハードボイルドSF…でありながら、脱力するようなギャグもさりげなく散りばめられていて、この独特な雰囲気はクセになる!シリーズ1作目が描かれたのは91年、1巻が発売されたのは08年。2巻が出る日を心待ちにしております…!
投稿日: 2015年5月4日
文=鈴木史恵
1986年2月生まれ、千葉県出身。おもちゃメーカー勤務を経て編集・執筆業へ。マンガ好きとしての原点は物心つく以前から触れてきた手塚治虫と藤子・F・不二雄。24年組、80年代ニューウェーブ、ガロ系、それらの系譜にある青年マンガを中心に、面白そうなものは何でも読みます。マンガ以外の趣味は好きなバンドのライブや映画鑑賞など。
今年になってから1巻が出た作品の中で、個人的暫定ベストがこちらの作品。生者に死を、死者には生をもたらすとまことしやかに囁かれる「鵼の絵師」・菅沼英二郎をめぐる、短編連作形式の幻想的な人間ドラマ。マンネリにならないよう趣向を凝らされたストーリー、丁寧に描かれる昭和初期という時代の空気感、味のある台詞回しやモノローグに加えて、陰のある色気と茶目っ気を兼ね備えた男性キャラクター陣の魅力もたまりません!派手ではないけれど、何度も読み返したくなるマンガです。
投稿日: 2015年5月2日
文=鈴木史恵
1986年2月生まれ、千葉県出身。おもちゃメーカー勤務を経て編集・執筆業へ。マンガ好きとしての原点は物心つく以前から触れてきた手塚治虫と藤子・F・不二雄。24年組、80年代ニューウェーブ、ガロ系、それらの系譜にある青年マンガを中心に、面白そうなものは何でも読みます。マンガ以外の趣味は好きなバンドのライブや映画鑑賞など。
毎日同じコースを歩いている日常の散歩道で起きたちょっとしたエピソードをマンガにしている、これぞ日常なエッセイ漫画なのですが、歩き方や朝の匂いなど、その視点がかゆいところに手が届くような感度で、おもわず笑みをこぼしてしまったり考えさせられたりします。マンガ家さんの観察眼と妄想力って凄いんだなと改めて感じました。そして著者のいがらしみきお先生のルーチンワークとして、散歩を楽しんでる姿や意地が伝わってきて、なにか一つ毎日同じ事を繰り返す日常を作ろうという気持ちになりました。
投稿日: 2015年4月29日
一台の伝説のピアノ「ヴァルファールト」をめぐる、国も時間も飛び越えた壮大な物語。巻末の村上知彦さんによる解説に「ほらふき爺さん、かく語りき」とありますが、島田虎之介さんの作品のスケールの大きさ、それを破綻なく語りきるディティールのリアリティには脱帽です。「この風呂敷、だいぶ広がっちゃってますけど?」とドキドキしていても、最後には涼しい顔で、かつ力強く、予想もつかなかった美しい形にキュッと畳みきってくれるのが憎たらしい。抜群の構成と画面割りは、上質な映画のよう!輪郭線のくっきりした独特のタッチが苦手かも…という人も、だんだんと白と黒のコントラストや、イラストのようなキャラクター造型が癖になってくること間違いなしです。初めて読んだときにはなんとなく読み飛ばしていた部分が、二度目には意味をもって捉えられたり…何度も読み返しては、酔いしれてほしい作品!
投稿日: 2015年4月28日
文=山口文子
1985年生まれ。映画制作を目指して迷走中。歌も詠む。マンガナイト見習いで、執筆などをお手伝い。
女子高時代、魚喃キリコの『短編集』をきっかけに、安野モヨコ、南Q太などフィールヤング系を読みあさる。その後、友達と「週10冊ずつオススメ漫画を交換する」修行を数ヶ月行い、興味のベクトルが全方向へ。
思い入れの強い漫画に『BANANA FISH』、『動物のお医者さん』、『ナンバー吾』。岡崎京子の影響を受け続けて今に至る。
『坊っちゃん』の舞台がこのSNS全盛の現代日本だったら? 川端康成は流麗な文章と「※注釈」の裏に何を隠していた? 非リア充たちの愛読書・『山月記』の中島敦は実はモテ男だった? 学生時代に教科書で読んだ文学作品や文豪たちの知られざる一面に、斜め上な切り口から親しみを持ってゆる〜く迫ったコミックエッセイ。大人になるとなかなかじっくり本を読む時間が取れなくなりがちですが(でもマンガは読む)、やっぱりたまにはあらためて純文学に触れてみたいなーという気にさせられます。
投稿日: 2015年4月27日
文=鈴木史恵
1986年2月生まれ、千葉県出身。おもちゃメーカー勤務を経て編集・執筆業へ。マンガ好きとしての原点は物心つく以前から触れてきた手塚治虫と藤子・F・不二雄。24年組、80年代ニューウェーブ、ガロ系、それらの系譜にある青年マンガを中心に、面白そうなものは何でも読みます。マンガ以外の趣味は好きなバンドのライブや映画鑑賞など。
最近「シンギュラリティ」という言葉が流行っていて、私もあまり詳細を知らないまま会話の端々に忍ばせています。もし脳の完全コピーができたら、「この人は昨日死んだ」ということに周りの人が気づかず、人間にとっての死は極私的なイベントになってしまうことでしょう… というので思い出したのが本書に収録の「アルバイト(通称:五億年ボタン)」。以前からネットで散々、話題になったり画像アップされたりしているので知ってる人も多いと思うのですが、わざわざ紙の本で買いました。味があるとさえ言えない、恐ろしく無機質なCGと乾いたギャグに戦慄します。「小学生のころ考えた」という人も多いこの手のネタですが、小学28年生の今でも考えれば考えるほど恐ろしく、夜も良く眠れます。来たるディストピアに備え、読めば憂いなし!
投稿日: 2015年4月26日
文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。
ただ「生き延びる」、それだけを目的とすることに何の恥ずかしいことがあるだろう。珍しいほどパッとしない主人公の少年忍者ムジナは、必殺技の「忍法跳ね頭」のみを頼りに、敵から逃げ、仲間から隠れることで厳しい忍びの世界を生き抜いていく。しかし、その先に見つけた、より大切なもののために思想が揺らぎ始める…下品なシーンと変なギミックが多く、好きだというのがちょっと憚られる作品だが、人間の弱さと汚さ、滑稽さを真っ向から捉え、その上でキラっと光るわずかな挟持の美しさが描かれており、平凡な人間に勇気を与えてくれる。――余談の思い出ですが私が大学生の頃、たまたま降りた駅で偶然、相原先生のサイン会を発見しました。急いで買ってきた色紙に「ムジナを描いてください」と言うと、ちょっと照れたように「昔のだから描けるかな…」と、それでもキチンと描いてくださり、そのことでこの作品がいっそう特別なものになりました。
投稿日: 2015年4月24日
文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。
恋愛、結婚、出産、子育て、仕事、介護…アラサー女性は人生における大きな選択肢や考えることが本当に多い年代。本作はバツイチシングルマザー、セカンドバージンの真面目OL、超絶モテて男関係がゆるいデザイナーの三人のアラサーが一つの家をシェアする話だが、アラサーと一口に言っても生活が全然違って、そんな三人が「家」だけは同じという構造が面白い。作者はアラサー女性の心象を描くのがとても上手なので、気になっている人は本作から読んでみてほしい。
投稿日: 2015年4月23日
文=kukurer
マンガナイト内では極稀にイベントと極稀にライターを担当。月刊少年ジャンプ・マガジン・りぼん・ちゃお・週刊マガジンで幼少期、多感な時期を花とゆめと同人誌で過ごしました。
ハチミツとクローバー、not simple、高台家の人々、彼女とカメラと彼女の季節、夏の前日を通年推しています。わりと短編や短めのマンガが好みです。
マンガ以外の趣味は、ダイビングとスノーボードと映画。肉とかにみそが好物です。
かわいい妹と彼女に恋する二人の実の兄のお話。ああそっち系ね〜と判断されそうですが…1991年発表のこの作品、今ご想像されている妹ものとは少し毛色が違います。「魍魎戦記MADARA」や「多重人格探偵サイコ」で知られる作者がお話も担当する青春? もの。正直特に大きな事件も起こらないユルい展開ですが、学園パートは正しく瑞々しく、家族パートはちょっとズレた愛に溢れ、妹&兄二人をはじめとした人物達が活き活きとして気持ちがいいです。バトルで売れた男性作家がこういう作品を描くのは当時珍しかったのでは? もちろん絵はキレッキレ。ヒロイン餡子ちゃんの説得力たるや。セルフパロディもあるよ!
投稿日: 2015年4月22日
文=牛尾敬子
マンガナイト内ではデザイン諸々と男性メンバー教育を担当。「週刊少年ジャンプ」「週刊少年サンデー」を読んでいた子ども時代から、なぜか「月刊アフタヌーン」に飛躍したマンガ歴を持つ。“聞こえやすい”声質を買われ、イベントでは「牛SHOUT」も披露(参照リンク)。今のお気に入りの作品は「帝一の國」「乙嫁語り」。マンガ以外の趣味は、文鳥とちゃーはんとアイススケート。
猫マンガというとエッセイ風コミックが多いせいか、猫にスポットが当たりがちで人間キャラは作者さん本人だったり、もしくは傍観者だったりする事が多いのですが、こちらの作品は飼い主である片桐くんのキャラにもスポットが当たっており、猫萌えと共に猫飼い男子萌えを同時に味わう事ができ一石二鳥。最初は3匹だった猫も、最終的には5匹になるのですが、そのどの子達も個性的でとにかくかわいい!の一言!焼き肉メニューで統一されたネーミングセンスは真似したい。猫達が人間のトイレやお風呂についてあれこれ推理を巡す話は何度読んでも笑えます。
投稿日: 2015年4月21日
文=ふじた
イベントではブース担当。食べ物に対する執着心は人一倍。
初めて読んだ漫画は「火の鳥 望郷編」で、意味もわからず絵だけをひたすら見てました。
その後「うわさの姫子」にハマり、漫画人生スタート。小学●年生、なかよし、ぶ~け、ハロウィン、週間マーガレットなどを購読。1997~2001年頃のヤングサンデーの連載陣に好きな作品が多いです。
「写真」をカギに展開される、卒業を間近に控えた地方の高校生3人の恋愛模様。主人公・あかりが恋をする相手は、ミステリアスな雰囲気の女子生徒・ユキ。ということで、女性同士の恋愛を描いた百合マンガとしての一面ももちろんあるけれど、それ以上にこれは美しく生々しい青春マンガ。弾むようなときめき、ヒリヒリとしみるような痛々しさ、どす黒くドロリとした劣情…形だけは大人になってしまった私のような読者には、この作品に描かれる感情のすべてがキラキラに包まれていて、とても眩しい!全5巻、じっくり味わいながら、丁寧に読むのがおすすめです。
投稿日: 2015年4月20日
文=鈴木史恵
1986年2月生まれ、千葉県出身。おもちゃメーカー勤務を経て編集・執筆業へ。マンガ好きとしての原点は物心つく以前から触れてきた手塚治虫と藤子・F・不二雄。24年組、80年代ニューウェーブ、ガロ系、それらの系譜にある青年マンガを中心に、面白そうなものは何でも読みます。マンガ以外の趣味は好きなバンドのライブや映画鑑賞など。
モンナンカール女子高等学校という架空の学校を舞台にした短編集。各話の主役は一人か二人で、その他の生徒が脇に回る構成となっている。どの話にも大きなテーマや濃厚なドラマは見られないが、さばさばした雰囲気が心地よく、小さなエピソードを積み重ねてうまくまとめている所に作者の力を感じる。巻末に主なクラスメート一覧が載っているので、ストーリーに戻ってチェックするのも楽しい。自分はこのキャラクターに似ている、こんな人昔いたなあ、この子と友達になりたい……などと楽しめること請け合い。
投稿日: 2015年4月19日
文=kuu
マンガナイトではイベントのお手伝いと、執筆ちらほら。90年前後のなかよし、りぼんなどの影響をやや強く受けてますが、いろいろ読みます。好きな漫画家は、羽海野チカ、佐原ミズ。展覧会と舞台、可愛くて面白いものに心惹かれます。お茶とおいしいものにも。
人が集まれば「SかMか」という会話、くだらなくて帰りたくなる! という果報者に薦めたいマンガ。残酷なシーンが多く、好きだというのが憚られる作品だが、怖いもの見たさでページをめくっていくと、単純には分類できない人間の情念の深淵に迫れる…気がする。最終巻の垣原組長が裸になるシーン。そのページだけ見るとギャグにしか見えない筈の立ち姿が、それまでの流れで妙にかっこよく見えた時、このマンガが名作と悟った。
投稿日: 2015年4月18日
文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。
茄子を狂言回しに、今も世界のどこかで流れているかも知れない風景を切り取ってきた短篇集。省略法が効きすぎた、スナップショットの連続のようなコマ割りと、話し言葉に近い順番のセリフ回しが最初は慣れませんでしたが、読めば読むほど心が落ち着いていくテンポがあります。何か起こるのか?…と思ったら起きない。これは伏線か?…回収されない。ただ語られるだけの物語がここにあるわけです。アニメ版「茄子 アンダルシアの夏」はこのうちの1編を元にした映像化作品ですが、またマンガとは違ったテイストで名作です。
投稿日: 2015年4月16日
文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。