殺し屋1

人が集まれば「SかMか」という会話、くだらなくて帰りたくなる! という果報者に薦めたいマンガ。残酷なシーンが多く、好きだというのが憚られる作品だが、怖いもの見たさでページをめくっていくと、単純には分類できない人間の情念の深淵に迫れる…気がする。最終巻の垣原組長が裸になるシーン。そのページだけ見るとギャグにしか見えない筈の立ち姿が、それまでの流れで妙にかっこよく見えた時、このマンガが名作と悟った。

文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。