北斎の娘を描いた代表作『百日紅』のアニメ映画公開も待ち遠しい杉浦日向子さんの、これは私が最初に読んだ作品。江戸っ子の穏やかでやかましい日常を、川柳に絡めてゆったりと描いています。この人の描く江戸には、他の作家の描く時代物が必ずまとっている「気負い」のようなものがなく、ただそこにあったもの・いた人の姿をそのまま写し取ったとしか思えない、あたたかい生々しさに溢れていて、本作はそれが顕著に感じられる、軽く読めるのにトリップ感のある一作。ハマれば全作品読みたくなるに違いない日向子さんの世界、映画をきっかけにもっと拡がるといいなあ。
投稿日: 2015年4月14日
文=鈴木史恵
1986年2月生まれ、千葉県出身。おもちゃメーカー勤務を経て編集・執筆業へ。マンガ好きとしての原点は物心つく以前から触れてきた手塚治虫と藤子・F・不二雄。24年組、80年代ニューウェーブ、ガロ系、それらの系譜にある青年マンガを中心に、面白そうなものは何でも読みます。マンガ以外の趣味は好きなバンドのライブや映画鑑賞など。
暇つぶしに、と思ってダウンロードしたLINE漫画アプリに思わぬ傑作が混じっていました。韓国発のWEBコミック。スクールヒエラルキー底辺に属する主人公が、ファッションに目覚め好きな女子が属するイケイケ集団への仲間入りを果たし、バラ色の高校生活が始まる…と思いきや…。学校の過ごし方、ふざけ合い、修学旅行の緊張感など日本の高校生も韓国の高校生もみんな一緒なんだな、と感じさせます。主人公の妄想や漫画らしい大げさな表現などが日本の漫画とはまた違うテイストでとても新鮮。ノリが独特なので苦手な人もいるかもしれません。絵は上手いわけではないのですが、妙な味があります。流行に追随した似たような絵柄、内容が多いな、と感じる最近の日本の漫画に少し飽きた方にオススメ!
投稿日: 2015年4月13日
文=ふじた
イベントではブース担当。食べ物に対する執着心は人一倍。
初めて読んだ漫画は「火の鳥 望郷編」で、意味もわからず絵だけをひたすら見てました。
その後「うわさの姫子」にハマり、漫画人生スタート。小学●年生、なかよし、ぶ~け、ハロウィン、週間マーガレットなどを購読。1997~2001年頃のヤングサンデーの連載陣に好きな作品が多いです。
3年前に初めて実家を出たとき、新居に持っていくマンガは厳選に厳選を重ねました。手塚作品の中から、その栄えある選抜メンバーに選ばれたのがこちらの1冊。収録作品のメインは文芸誌で発表された1話16ページの短編作品群なのですが、どれもピリッとスパイスの効いたショート・ショートになっていて、いつ読んでも、何度読んでも絶品です。いわゆる「黒手塚」的な作品とも少し違う、お酒のつまみのような手塚ワールドも、是非多くの人に味わってほしい!
投稿日: 2015年4月12日
文=鈴木史恵
1986年2月生まれ、千葉県出身。おもちゃメーカー勤務を経て編集・執筆業へ。マンガ好きとしての原点は物心つく以前から触れてきた手塚治虫と藤子・F・不二雄。24年組、80年代ニューウェーブ、ガロ系、それらの系譜にある青年マンガを中心に、面白そうなものは何でも読みます。マンガ以外の趣味は好きなバンドのライブや映画鑑賞など。
今クールでドラマ放映の『アイムホーム』。本作がマンガ原作と知っている人は多くないと思う。原作は、メディア芸術祭マンガ部門で大賞を受賞した作品ではあるが、連載から15年以上の時を経てのドラマ化だからだ。なぜ今また注目されているか、それは最新作である本作と読み比べると腑に落ちる。「家族とは?」をテーマに、作者は何をもって「家族」なのか、「家」の意味について疑問を投げかける。それは普遍的なテーマで、作者の伝えたいことの根底は大きく変わっていない。ただ、バブル崩壊前に連載された『アイムホーム』と、震災後に連載された本作、その投げかけの変化よりも受け取り手である読者の方が変化しているのではと思う。この2作品、合わせて読むのにベストなタイミングに違いない。
投稿日: 2015年4月11日
疎開先の小学校を舞台とした学園モノ。戦争&田舎&子供社会という、超閉鎖された環境に君臨する王、タケシ。小学生とは思えない人心掌握の術、情報収集力をもってその地位を確固たるものとしている。冷徹な支配者としての態度の一方、外で時折見せる素直で素朴な人格。主人公はタケシへの友情と恐怖との間で葛藤する…息苦しい雰囲気と安孫子素雄の焼き過ぎた写真のようなタッチが絶妙なマッチングを見せる本作、読んでいると、いつの間にか自分は小学生になってしまう。なんでもないことや見えないものにヒリヒリしていた当時の気持ちが、自分の中にまだ残っていることを実感した。読後の無常感と開放感が入り混じった感覚は比べるものがない!
投稿日: 2015年4月10日
文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。
「この人とは仲良くなれるかも…!」そんな予感のした人が、すっと貸してくれたマンガ。不思議であたたかな読後感に、私もすっかり魅了されました。内容を一言でいえば「ある日突然夫婦になってしまったチグハグな男女の、ささやかで愛おしい日常」というところでしょうか…ただ、この漫画に流れる独特な空気は言葉で表現するのは難しいです。甲斐性なしで女好きの荘介どのと、天然に見えて心に抱えているものがある道。酔っ払った父親同士のノリで夫婦になってしまった、愛から始まったわけではない二人の生活が、一話3〜4ページの短編で綴られていきます。一切セリフなしで、日常がファンタジーのように広がっていく話もあり、自由で豊かな表現にくらくら。決して甘くなりすぎず、感傷に流れないストーリーも素晴らしい!
投稿日: 2015年4月9日
文=山口文子
1985年生まれ。映画制作を目指して迷走中。歌も詠む。マンガナイト見習いで、執筆などをお手伝い。
女子高時代、魚喃キリコの『短編集』をきっかけに、安野モヨコ、南Q太などフィールヤング系を読みあさる。その後、友達と「週10冊ずつオススメ漫画を交換する」修行を数ヶ月行い、興味のベクトルが全方向へ。
思い入れの強い漫画に『BANANA FISH』、『動物のお医者さん』、『ナンバー吾』。岡崎京子の影響を受け続けて今に至る。
前作『さよならタマちゃん』で自らの精巣腫瘍の闘病記を等身大で描いた作者が、連載中に癌再発の可能性もある中(実際は再発はなかった)で今回はフィクションに挑んでいます。本作も柔らかなタッチながらも、生死、そして親子の深層心理に深く切れ込んでいて凄味があります。素直になりたいけどなれない、でも素直にならなきゃなと思う作品です。(第1話は無料公開中)
投稿日: 2015年4月8日
自分の生まれ持ってしまった性を否応なく他人から実感させられる彼女たち。生きるのが辛そうな反面、その辛さを離そうとしないようにも見える姿はまさに彼女たちの迷いや混乱が表現されているよう。1、2巻よりもぐっと現実味を帯び、言ってることとやってることのねじれをどこかしこで感じながら最後まで勢いよく読まされてしまう本巻。彼女たちが幸せになる方法はあるのか、読み終わってしばらく考えてしまった。
投稿日: 2015年4月7日
文=kukurer
マンガナイト内では極稀にイベントと極稀にライターを担当。月刊少年ジャンプ・マガジン・りぼん・ちゃお・週刊マガジンで幼少期、多感な時期を花とゆめと同人誌で過ごしました。
ハチミツとクローバー、not simple、高台家の人々、彼女とカメラと彼女の季節、夏の前日を通年推しています。わりと短編や短めのマンガが好みです。
マンガ以外の趣味は、ダイビングとスノーボードと映画。肉とかにみそが好物です。
「幸せ」ではなく「皺汗」です。念のため。「へうげもの」でご存知の方も多い山田芳裕さんの短編作品。バブル景気に湧いた1980年代を、サイコーにファンキーでクールに過ごした主人公が老後を過ごす西暦2030年代は、教育・政治・環境、服装、娯楽、飲食も含めたカルチャーなど全てが、バブル時代とは真逆の人畜無害で健全な物になり果てる。退屈この上ない世の中を嘆き、アナーキー精神を常に持ち続けようとする主人公。いちご風味のわざとらしさや着色ウィンナーへの渇望、オニツカタイガーへの羨望、文化遺産となったジュリアナ跡地など、細かい描写がいたる所に。山田先生の作品は、何かに対して一途にこだわる主人公が描かれる事が多いのですが、先生自身もこだわりの多い方だと思います。そういう作家さんの描く作品というのは、やはり他には無い絵柄だったり設定だったりして、発表から何年経とうがいつまでも新鮮で印象に残ります。装丁デザインも、私が所持する書籍の中で一番凝っててサイコーにCOOLですYO!YO!
投稿日: 2015年4月6日
文=ふじた
イベントではブース担当。食べ物に対する執着心は人一倍。
初めて読んだ漫画は「火の鳥 望郷編」で、意味もわからず絵だけをひたすら見てました。
その後「うわさの姫子」にハマり、漫画人生スタート。小学●年生、なかよし、ぶ~け、ハロウィン、週間マーガレットなどを購読。1997~2001年頃のヤングサンデーの連載陣に好きな作品が多いです。
「孤独のグルメ」同原作者の、昔のガロでの掲載作品を中心とした短篇集。日々、庶民を迷わせる「細かいこと」。それに自分なりの対処法を持って、毎日を過ごしていくことが幸せなのではないかと思う。それは生活をルーチン化し、大切なことに費やす時間を確保するための「バグ取り」とも言えるかもしれないし、ルーチンになりがちな毎日にドラマ性を持たせ、ささやかな日常をいっそう楽しむための「脚色」とも言えるのかもしれない。ドラマチックな弁当の食べ方を「夜行」で、すき焼きをめぐる攻防戦を「最後の晩餐」、かっこつけたい花粉症を「花粉症」で描いている。あと「アーム・ジョーのことを考えると、僕はブルース・リーの映画を観たあとみたいにドキドキした」で始まる作品も、オチをぜひ見てほしい。これが電子書籍で読めるとは、いい時代になったもんだ…最近ドラマ化した「食の軍師」の主人公、本郷さんの原型も見られる。
投稿日: 2015年4月5日
文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。
先月話題をさらったマンガ大賞。選考対象はその年の1月から12月に出版された、最大巻数8巻までの作品です。自分だったらこれを推したいと思ったのが、最近完結した「鉄楽レトラ」全6巻。高校生のスペイン舞踊にかける青春ストーリーですが、とにかく老若男女が必死に生きている姿にじんときます。新生活に期待と不安を抱き、戸惑っている人全てにおすすめ。「やらずに無様をさらすなら…やって無様になって来い!」名言です。
投稿日: 2015年4月4日
文=kuu
マンガナイトではイベントのお手伝いと、執筆ちらほら。90年前後のなかよし、りぼんなどの影響をやや強く受けてますが、いろいろ読みます。好きな漫画家は、羽海野チカ、佐原ミズ。展覧会と舞台、可愛くて面白いものに心惹かれます。お茶とおいしいものにも。
可愛らしい、忌憚なき言い方をすると萌え漫画風な主人公の少女と飼い猫のクロ。二人のほのぼのした日常を描く漫画ーーではないことは一巻の数ページで、少しずつ何かが違うことに気づく。謎が多すぎるというより、なにか「違和感」がたくさん残ったまま一巻が終了して、本巻に突入する。細かいところに「違和感」を散りばめる作者のこだわりも秀逸。もちろんカバーにも。手にとってカバー裏を見てみてほしい。可愛らしい絵のお陰でホラーやグロが苦手な私でも読めたので、その点で躊躇している人は読んでみてもいいかもしれない。
投稿日: 2015年4月3日
文=kukurer
マンガナイト内では極稀にイベントと極稀にライターを担当。月刊少年ジャンプ・マガジン・りぼん・ちゃお・週刊マガジンで幼少期、多感な時期を花とゆめと同人誌で過ごしました。
ハチミツとクローバー、not simple、高台家の人々、彼女とカメラと彼女の季節、夏の前日を通年推しています。わりと短編や短めのマンガが好みです。
マンガ以外の趣味は、ダイビングとスノーボードと映画。肉とかにみそが好物です。
少女漫画界の大家であるいくえみ綾が描く、大人向け底なしW不倫の話、と書けば安易だが、そこはいくえみワールド。かなりリアルで丁寧な描写に誰もが引き込まれる作りとなっている。主人公の美都を中心として、夫、不倫相手、不倫相手の妻、4人それぞれの視点が徐々に絡み合っていく様に目が離せなくなる。未婚者、既婚者、男性、女性関係なく、読んでいて誰もが他人事とは思えなくなるリアリティがある。普段女子高生などを主役にキュンとする少女漫画を描き続け、未だに一線で活躍し続けている作者の多才さには感嘆せざるを得ない。2巻以下続刊で、続きが待たれる。
投稿日: 2015年4月2日
文=ヤマダナナコ
広島生まれ、マレーシア育ち、東京在住。
マンガナイトでは偶にイベントに参加したり、こっそり執筆したりしています。
兄の影響で少年ジャンプから漫画の世界に入り込み、その後なかよしやりぼんで育ちました。今では何でも読む雑食。
無条件で手に取るのは、いくえみ綾、吉田秋生、成田美名子、古谷実あたりの作家さん。
甘いものが大好き。食べ物を与えられていれば大体ご機嫌です。
親を亡くした男勝りのバイクを乗り回す主人公(そしてちゃんとモテる)というだけでニュータウン社宅育ちのわたしには刺激的でしたが、何より憧れたのは彼女の相棒であるカラスのジャッキー。わたしはカラスが賢く美しい生き物であるということをこの作品で知りました。面白いのは当然として、カラス漫画として世の鳥好きのみなさんに強くおすすめします。
投稿日: 2015年4月1日
文=牛尾敬子
マンガナイト内ではデザイン諸々と男性メンバー教育を担当。「週刊少年ジャンプ」「週刊少年サンデー」を読んでいた子ども時代から、なぜか「月刊アフタヌーン」に飛躍したマンガ歴を持つ。“聞こえやすい”声質を買われ、イベントでは「牛SHOUT」も披露(参照リンク)。今のお気に入りの作品は「帝一の國」「乙嫁語り」。マンガ以外の趣味は、文鳥とちゃーはんとアイススケート。
ドラマにもなった同棲カップル漫画の最終巻。同じ話を男性目線と女性目線の両側から2話構成で描かれるので、すれ違いポイントや、なんでこうなったの!? の答え合わせができて楽しい本作。主人公たちと年齢が近い人や同棲カップルや既婚者はもちろん、属性が近くなくても主人公たちが地元の友達にいそうな「いい人キャラ」なので、つい誰かに重ねてしまいそうなところも楽しめるポイント。出会ってから13年経ったふたりの結末は、まさに地元の長年カップルの結末を見守るような気持ち。どうなったかはぜひ自身で確かめてほしい。全5巻なのでイッキ見もオススメ。
投稿日: 2015年3月31日
文=kukurer
マンガナイト内では極稀にイベントと極稀にライターを担当。月刊少年ジャンプ・マガジン・りぼん・ちゃお・週刊マガジンで幼少期、多感な時期を花とゆめと同人誌で過ごしました。
ハチミツとクローバー、not simple、高台家の人々、彼女とカメラと彼女の季節、夏の前日を通年推しています。わりと短編や短めのマンガが好みです。
マンガ以外の趣味は、ダイビングとスノーボードと映画。肉とかにみそが好物です。
女のエロ衝動を、これでもかというほど包み隠すことなく直接的に描いた衝撃作「いぬ」の連載後、女のエゲつなさと打算、ドロドロとした人間関係を、女子小学生を主人公としエロ要素0で描いたこちらの作品。最近、オシャレ系女性コミックで人気(?)の女のドロドロ系テーマを、15年以上も前に「ヤングサンデー」で連載していたというのが驚き。おまけに舞台は小学校。絵柄やタイトルで勝手にギャグ漫画だ、思って侮ると痛い目に合いますよ。絵柄といいストーリーといい、柏木ハルコさんって本当に唯一無二の漫画作家だなあ、と改めて思います。
投稿日: 2015年3月30日
文=ふじた
イベントではブース担当。食べ物に対する執着心は人一倍。
初めて読んだ漫画は「火の鳥 望郷編」で、意味もわからず絵だけをひたすら見てました。
その後「うわさの姫子」にハマり、漫画人生スタート。小学●年生、なかよし、ぶ~け、ハロウィン、週間マーガレットなどを購読。1997~2001年頃のヤングサンデーの連載陣に好きな作品が多いです。
同作者の「カイジ」シリーズは、巨額の財産や命を賭した極限環境の中で現れる人間心理を描いた作品として定評が高い。この「黒沢」シリーズはその真逆といえる。スーパーでの買い物、職場での変な気遣い…平凡な中年男の独身生活の1コマに、他人の心や哲学が見える瞬間。おかしくも哀しい「人間らしさ」が活写されている。そこに「カイジ」シリーズと同じ極端な誇張表現・くどすぎるセリフ回しをそのまま使う、独特な異化効果も見逃せない。前作のラストが秀逸だったこともあり、ホームレス編の新シリーズを読みはじめて、テイストが少し変わってきた? と心配になったが、2〜3巻と読み進めると、個としてのあり方から、組織論への展開が見られ、前作以上に楽しみになってきた。
投稿日: 2015年3月29日
文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。
古民家×不思議×疑似家族という鉄板かつ強力な布陣のストーリーです。主人公の笹木青司は天涯孤独なのに、妙にドライな現代っ子。また彼と同居する謎の存在たちは、浮世離れしている割に俗っぽいものを知っていたり好んだりします。そんな彼らのちょっとした会話でくすっと笑える本作は、元気が出ない時の読書にもぴったり。一番の見どころは、年男というキャラクターが見せる、いざという時のかっこ良さでしょうか。1巻には2回しか出てこないので要チェックです。WEBでは第1話がお試し読みできますよ。
投稿日: 2015年3月29日
文=kuu
マンガナイトではイベントのお手伝いと、執筆ちらほら。90年前後のなかよし、りぼんなどの影響をやや強く受けてますが、いろいろ読みます。好きな漫画家は、羽海野チカ、佐原ミズ。展覧会と舞台、可愛くて面白いものに心惹かれます。お茶とおいしいものにも。