今までなかったことを意外に思いつつも、今回45周年記念でデジタル版が発行(7/15)とのことで、カラー版1巻を購入してみました。ママがのび太にやたら甘いことに、これからの変貌を考えて恐ろしくなりました。ガリバートンネルってあんな変な配色だったっけ?というのも見どころです。何より、デジタル版でいつまでも劣化しないドラえもんに会える!という感覚がいいですね。
今までなかったことを意外に思いつつも、今回45周年記念でデジタル版が発行(7/15)とのことで、カラー版1巻を購入してみました。ママがのび太にやたら甘いことに、これからの変貌を考えて恐ろしくなりました。ガリバートンネルってあんな変な配色だったっけ?というのも見どころです。何より、デジタル版でいつまでも劣化しないドラえもんに会える!という感覚がいいですね。
「お笑い好き」「ノリ重視」「賑やか」「せっかち」。生まれも育ちも関東の私が、個人的に抱いていた「大阪人」のイメージはこんなところでした。このマンガは、そこに「世話好き」そして「あたたかい」の2語を加えてくれた作品。親との関係、近しい人との別れ、恋愛、自分の未来…。大阪という街で様々なことに思い悩む、ごく普通の(あるいは、普通よりも少し不運な)人々を、独特のパキッとした描線と抑制の利いたテンションで描き出した本作には、『少年アシベ』で有名な作者の鋭くも慈愛に満ちた人間観察眼が光ります。おじいちゃんが孫の境遇を想って泣きながら言う、「子供は毎日、幸せにしたらなアカンのに」という台詞が胸に迫る!
女の子が着替えているところに遭遇したり、転んでぶつかったり。昔からあるラブコメの王道ですよね。そして、そんな不意打ちをくらった女の子が相手をボコボコになぐるというのもお約束。もしその関係が男女逆の立場ならどうなるの…!?というのが本作。主人公は「ラッキースケベ」の血を引き継いだ女子高生、まとめ。そして「暴力ヒロイン」を引き継いだのが、柔道部のイケメン男子高校生、集。女子校が共学になることで出会ってしまった2人は、出会えばToLoveる…。といっても、男女が王道の逆パターンなので、妙に恥ずかしく、笑いがこみ上げてきたり。読んだら何もかもばかばかしくて、元気になること間違いなしです。
「下ネタ」の応用力の高さに、笑いを通り越して感心してしまう作品。きっと作者の目には、政治も経済も宗教も、世の中のあらゆる事象が「下ネタ」として映っているのでしょう。「女子高生の日常」を世界観に繰り出される4コマギャグ(全て「下ネタ」)は単行本1冊につき、怒涛の約300題。2巻では「あずまんが大王」のキャラクターも参戦。同じ「女子高生の日常」を世界観としながら、対極に位置する作品同士のコラボレーションは必見です。内容に反して絵柄は淡白で、際どい描写もデフォルメされており、時に不謹慎と思えるネタですら、不思議と許せてしまう独特の魅力があります。飲み会の前に読んでいけば、色々な意味で一目置かれるかも!?
このタイトルが、元ネタとなっているであろう某ミュージシャンの、独特のクセのある歌声で脳内再生される人も多いでしょう。本作はまさに、あの歌声のようなマンガ。地味で、ちょっと根暗で、自意識ばかり肥大化していて、周囲の「普通」の人のように振る舞えない主人公たち。彼らが「普通」の人に不器用に恋をして、傷ついたり、一歩進んだりする様子を丹念に描いたオムニバスです。高校生のストーリーではありますが、心の深い部分はそのままに実年齢を重ねてしまった大人にこそ、彼らの考えることが理解できるはず。いわゆる「コミュ障」を自覚する社会人たちに読んでほしい、そして密かに「ああ、わかる…」と思ってほしい…!
高校生活を舞台としたラブコメの中でも、学校行事のアレンジに長けた作品。プール掃除をさせれば、デッキブラシ&石鹸でホッケーが始まるスポーツ漫画となり、体育祭で騎馬戦をさせれば、プロレス技が応酬するバトル漫画となる。文化祭の出し物を決める際も、修学旅行の自由行動も、卒業アルバムの制作も、当然一筋縄ではいかないわけで…。無難に工程が組まれた学校行事に対して、時に教師達すら巻き込みながら「一度しかない高校生活を最高な思い出にするために」自主的にアレンジしていく登場人物達のアグレッシブさには、唸りをあげること間違いなし!退屈な日常に愚痴がこぼれそうになった時に読んで欲しい作品です。
「哲学ギャグ漫画」とでも呼びたい一冊。著者はナンセンスギャグ漫画の『バカドリル』はもちろん、最近では「コップのフチ子」の生みの親としても有名なタナカカツキ氏。明るく元気いっぱいの主人公・トン子ちゃんが、常連の喫茶店で「岡本太郎」という偉大な芸術家を知り、打たれるところから物語が始まります。わざと古めかしいタッチで描かれたギリギリのダサさを狙ったキャラクターが、世界を飲み込むように描かれた芸術作品と共存するその迫力!トン子ちゃんが芸術に触れるとき、彼女の感動と衝撃がド直球に伝わってきて、一緒に興奮せずにはいられません…なんて書くと、ちょっと難しそうですが、大笑いして読める軽さも魅力的。金八ネタも爆発!情熱的でぽっちゃり体型のトン子ちゃんは、キックボードをぶっとばし、恋に悩み、妄想ポエムが溢れ、時には周囲に嫉妬もする、人間味溢れるチャーミングな女の子。パワーが足りないとき、笑って前を向きたいとき、トン子ちゃんに喝を入れてもらっては?
タイトル通り、「あの山」を越えて、結婚相手とともに都会から田舎に移り住んだ女性を中心に、日常生活を描く物語。結婚相手は農業をしつつ女性自身は地域の学校で先生として働きます。想像を超えることをしてくる生徒、気むずかしい上司、長男をひいきする義母によけいな口出しをしてくる困った親戚ーー人間が生きている間に出会うであろう身近な人間関係とそれに向き合う心構えが全部詰まっている作品。人間関係のもやもやに悩んだときのお供に。
LINEマンガの1~3巻の無料公開につられてゴールデンウィーク間に再読しました。一時代を築いたRPG「ドラゴンクエスト」のコミカライズ作品のひとつです。勇者を目指す少年・ダイが、冒険の中で仲間を得て成長していく物語ですが、大人になった今は最初から冒険をともにする魔法使い・ポップの成長に目がいってしまいます。(初めて読んだときはどうだったのか覚えていません)先天的に超人的な力を持っていたダイや戦いのエリートともいえる仲間に対し、ごくごく普通の家の出身のポップ。挫折や悩み、そして逃げ出したいという思いで揺れる姿は、読者の大多数である「普通の人」と変わらず。だからこそ彼の成長とすごい仲間に肩を並べようとしてやり遂げる姿に涙します。見事な「一般人への賛歌」となった作品は、疲れて立ち止まりそうになったときに、ぜひ一読を。
疲れて、足を止めたくなったとき背を押してくれるのは、逆境に負けずに進む人物の姿。「ではどうすれば進めるのか」という疑問に、「からくりサーカス」は才賀勝ら登場人物の生き様を通じて「他人の視線を受け止める」というひとつの答えを提示してくれます。
キャラクターの一人がシェイクスピアの言葉を引用して曰く「この世は舞台、ひとはみな役者」。この言葉が象徴するように、からくり人形らとの闘いという物語全体を通じて、重要な舞台を「サーカス」に設定。あたかも登場人物らはサーカスの舞台で精一杯自分の人生を演じ抜こうとしているようです。だからなのか、作品に登場するキャラクターのうち、成長して勝利をするのは、舞台にいることを意識し、他人の視線を受け止めて背筋を伸ばして前を向こうとする存在。逃げ回ることをやめた才賀勝も、当初は他人の活躍を見るだけだったが、少しずつ自分も見られる存在となっていきます。「自分なんか」と思ってしまったとき、この作品を読めば「誰かが見てくれているかも」と思い、もう少しだけ生きて前に進もうと思わせてくれるかもしれません。時間軸や古今東西の名作からの引用、伏線の使い方も見事なので、複雑な物語構造が好きな方もぜひ。
個人的に「アラサー女性が共感してしまう漫画」の一つ(他には東京タラレバ娘、おんなのいえ等)。他作の主人公たちが恋愛や仕事で「女としての戦い」に意図せずのせられて、ひとり心をえぐられていることが多いが、本作は既婚者や地元に戻る友人、彼がいない後輩など異なる境遇間で朝食をきっかけに「悩みの共有」を経てサクッと元気になるキャラクターたちの絶妙なフィクション感が魅力。「わたしも朝食食べてまた頑張ろう!」と前向きになれるので、ぜひ疲れた夜には思い出して読んでみて欲しい。
WEBマンガサイト「やわらかスピリッツ」で連載中の「住まい」をテーマにした漫画。主人公は一人で持ち家を探す沼ちゃんこと沼越さん。年収250万ちょい、居酒屋の正社員で25歳。無理だと言われてもあきらめず、一生懸命物件を探し続けるその姿に、不動産で働く人々も心を動かされていきます。ともすると俗っぽくなりそうな話なのですが、池辺葵独特のフィルターがかかり、やわらかく少しものがなしい雰囲気の作品になっています。この作品や「東京タラレバ娘」で、「オリンピックを控えた東京」という言葉が出てくるようになりました。「その時、あなたはどう過ごしているのか?」この問いをつきつける漫画は、今後もしばらく続く気がしています。
あるシチュエーションを99通りの方法で書いたフランスの実験小説「文体練習」にインスパイアされた実験マンガ。見開き1テーマでどこからでも読める。「新聞マンガ風」「回想風」「水平のコマ割で」「日本マンガ風」「実写で」…など、律儀に99種類のバリエーションが達成されている。気が向いた時にパラパラ見て、「こんなマンガあるんだよ!」と友だちに話すのが正しい楽しみ方と思われる。
『ガラスの仮面』しかり、『王家の紋章』しかり、数十年規模で長く続いている少女マンガは、熱心なファンがいる一方で、きっかけがないとなかなか入りづらいかもしれません。本作もそんな著名タイトルの一つですが、こちらは青年マンガをよく読む人や男性にも、ぜひ手に取ってみてほしい一作。物語のメイン要素は、東西冷戦を背景としたスパイアクション。主人公のひとりは硬派で堅物でワーカホリックなドイツの情報将校。彼の行動にもうひとりの主人公ーー美しいものを愛する大泥棒「エロイカ」が絡むことで、軽妙なコメディとしても成立しています。個性的なキャラクター、美麗で緻密な描き込み、細部まで計算されたストーリー、洒脱な台詞回し…それらが見事に釣り合った、非常に贅沢なマンガです。時代の変遷にしたがって作品の雰囲気も少しずつ変わっていくため、イントロダクション部分に面喰らう方もいるかもしれませんが(笑)、まずは4〜5巻(文庫版では3〜4巻)収録の「アラスカ最前線」編まで、一気に読むことをおすすめします!
田中彼方と吉川和樹は、大人っぽい雰囲気で周囲からの尊敬と信頼を集める中学生。でも、ふたりは「大人っぽく見える」だけの普通の14歳の少年少女で、お互いのことが好きで、みんなに隠れてつきあっている。彼らのじれったい恋愛を、素朴で暖かみのある絵柄でじっくりと描いている作品。中学生の恋愛を題材にしたマンガがは少なくないだろうけど、本作は、それを「かわいらしいもの」「微笑ましいもの」として愛でる、という目線で描かれているところが特徴的。ふたりの関係にそっと介入するキャラクター達を含め、その様子をずっと見守っていたくなります。荒んだ心に潤いが欲しい人に!
かわいらしい絵に反して、猫たちの生活を真実のままに、優しく時に残酷に描いたこの作品。こんなにも猫に厳しい猫漫画は初めてです。モーニング連載時から読んでおり、最初は普通のネコエッセイ漫画かと思っていたら、突如として人間に蹴られたり、脚を切られたりするので、そのような回を読んだ後の一週間はずーーーんっっと気分が落ち込みました。もちろん残酷なだけでなく、飼い主達とのご飯を巡る攻防や、恋人猫達との恋愛、仲間猫たちの友情などもおもしろおかしく描かれており、にんまりする回も多いのでご安心を。外猫の自由か家猫の安心か。猫にとっての本当の幸せが、はたして何であるのかは知る由もありませんが、とにかくまた猫と一緒に生活したい!と強く思える作品です。ここでこのような主張をするのはちょっと違うかな、とは思うのですが、猫や犬と暮らしたいな、と思う方はペットショップやブリーダーからではなく、保護施設などから引き取ると幸せな猫が増えると思います。ペットショップに行く前に一度のぞいてみてはいかがでしょうか。生体売買が少しでも減る事を、切に願います。
「Fuck!」「Shit!」を連発する線の太いガッチリとした登場人物たちに、とにかくカルチャーショック…!中学時代、初めて読んだゲイをリアルに描いた作品で、刺激的な性描写や容赦ない展開に圧倒されました。しかも海外(NY)が舞台。主人公のケインは警察官で、完璧な男社会のなかでゲイであることを隠して生きています。ケインの運命の人となるメルは金髪の美青年。彼が生きていくために経験してきた壮絶な過去や、マイノリティとされる人たちの疎外感など、生々しく胸に迫ること必須。「羊たちの沈黙」を連想させる猟奇的殺人事件に巻き込まれたり、映画や海外ドラマに近い感覚かも。グイグイ引き込まれる骨太の物語。BLは苦手という方にも是非読んで頂きたい一作です!
最近、「YOUは何しに日本へ?」の後追い的な、日本すげー!めしうめー!的な番組がばかりで食傷気味な方も多いのは重々承知の上でおススメさせていただきます。北欧スウェーデンからやってきたバリアニオタ、オーサさんの日本での生活と、北欧との文化の違いなどを綴ったエッセイコミック。オーサさんは日本の漫画の専門学校に通っていたという経歴の持ち主。絵だけ見ると、キャラクターのかわいさ、擬音語、デフォルメ表情など、日本人が描いたとしか思えないほど。この作品を通してセーラームーンの偉大なる功績を知る事ができます。あと日本語を学ぶ外国人が苦手なのが「~だ」の使い方らしく、(「気持いいだ」とか)それに関するエピソードが面白かったです。ブログでも四コマ作品が読めるので是非チェックしてみてください。