ネガティブ女子の時代

少女マンガの主人公が変化してきた。かつて多かった「明るく元気な女の子」は減り、「おとなしく自信のない女の子」を主人公にする作品が人気を集めている。背景には読者層やマンガなどとの関わり合い方の変化がありそうだ。

「ネガティブ女子」が登場するのは葉月かなえ作の『好きっていいなよ。』だ。「月刊デザート」に連載中で、今秋にはアニメ化される。

話は非常にシンプルで友人も恋人もおらず、根暗でおとなしい主人公、橘めいが学校で人気の男の子と偶然出会い、紆余曲折を経て付き合い始めるというもの。かわいくて男の子に人気のあるライバルとの対決や、女の子との友情物語を途中に盛り込みながら主人公も成長していく。

7月号では『好きっていいなよ。』の主人公が表紙を飾っていることから一定の人気があると見て良さそうだ。「別冊マーガレット」で連載中の『君に届け』の黒沼爽子もこの系列に入るだろう。

かつて少女マンガの主人公は、「明るくて友人が多く、人付き合いが上手な子」が多かった。『キャンディ・キャンディ』のキャンディから始まり、『姫ちゃんのリボン』の野々原姫子や『ときめきトゥナイト』の江藤蘭世。彼女らは、かわいらしくて皆から愛され、元気な子。どちらかというとスポーツが得意で勉強は苦手だった。それが今は、これらの作品に主人公の友人役として出てきそうなタイプの女の子が主人公になりつつある。『好きっていいなよ。』の橘めいは一人でいるのが好きという設定。「月刊デザート」で連載中の『となりの怪物くん』の主人公、雫は無愛想で人付き合いが苦手、得意なのは勉強とされている。

ここにはターゲットとなる年齢層とマンガとのかかわり方の変化があるように思える。

講談社のホームページによると、「月刊デザート」は10〜20代向けとされている。「別冊マーガレット」も中学生から高校生のティーン向けだ。マンガ研究で知られる石子順造氏は「マンガ/キッチュ」のなかで「マンガとは読者との関わり合いが強いメディア」と指摘している。かつてはこの主な読者層の女の子たちに対して、マンガを通じて「明るく元気に、人に好かれる子になりなさい」というメッセージが強く発せられていたのが、今は現実にいる等身大の女の子の姿をすくい取り、読者がより共感しやすい主人公としているのではないだろうか。読者からすると、「明るく元気な女の子」は目標にはできても共感はできなかっただろう。『好きっていいなよ。』などを読んだ30代の筆者も「中学・高校生のときにこんな恋愛や学校生活をしたかった」と思ったものだ。

確かに物語展開は、シンデレラ・コンプレックスを感じさせられる。だが『世界のシンデレラ物語』によると、グリム童話のシンデレラやその類型となるおとぎ話において、主人公のシンデレラは、自分から男女の出会いや世界への参加を求めて家から飛び出し、舞踏会や村の祭りなどに参加していくという。 特に西洋文化の影響が強い地域ではこの特徴が強いという。日本のシンデレラ物語では極度に待ちの姿勢が強調されるが、世界のシンデレラ物語では必ずしも受け身ではないのだ。

これは『好きっていいなよ。』などマンガでも共通している。マンガをよく読むと主人公らは重要なポイントで自分から友人や恋する相手に飛び込んでいく。現代の少女マンガは、おとなしい女の子を等身大で受け入れつつも、重要な場面では自分から踏み出すことの重要性を訴えているのだ。

文=bookish
1981年生まれ。「ドラえもん」「ブラック・ジャック」から「週刊少年ジャンプ」へと順当なまんが道を邁進。途中で「りぼん」「なかよし」「マーガレット」も加わりました。主食はいまでも少年マンガですが、おもしろければどんなジャンルも読むので常におもしろい作品を募集。歴史や壮大な物語をベースにしたマンガが好み。マンガ評論を勉強中。マンガナイト内では「STUDIOVOICE」のコラムなど書き物担当になっています。マンガ以外の趣味は、読書に舞台鑑賞。最近はサイクリングも。

マンガのスピリットとは?

去る5月18日、『日々ロック』をリスペクトするロックミュージシャンが、「日々ロック」愛読者とともに、「日々ロック」愛を共感する、という“夢のイベント”「日々ロックフェスティバル」が新宿JAMで開催された。

登場したのは公募で選ばれた8組のロッカー、そして同じく誌面募集で選ばれた観客のみ。初めて来た場所で初めて会った人と初めて聴く音楽なのに初めてな気がしない、どこか懐かしさすら思わせる一体感が場を埋め尽くした。

『日々ロック』は、冴えない男子高校生、日々沼拓郎がロックに目覚め、ロックスターを目指す青春マンガ。作者は京都精華大学出身の榎屋克優(えのきやかつまさ)。

日々沼拓郎(自称:日々ロック)はライブハウスや路上での弾き語りを行うも全く人気が出ず、学校では不良にイジメられるばかりか、信じていた人間に裏切られたりと、最低の日々を送っていた。しかし、同じくイジメられっ子の二人とバンド「ザ・ロックンロール・ブラザーズ」を結成することで事態は好転していく。日々沼はエレキギターの衝撃とともにバンドという連帯感を知ることで、人間としての成長を重ねていく。ホームレスのおっさんや大好きな女の子、ライブハウスの店長らからかけられる熱い言葉たち、それがやがて音楽へと昇華するのだった。やがて彼らは文化祭ライブで伝説を作ることに・・・。

作者である榎屋の作画、構成も日々沼の演奏と歩を会わせたかのように向上していく。第2部に入る頃には、作品も安定し、当初感じられた危なっかしさはなくなる。それどころか演奏シーンでの描き文字は尋常ならざる迫力すら帯びてくる。そこには背伸びした表現やオシャレでポップな要素などない。ひとえに魂から溢れる真摯なロックンロール愛のみが綴られているのだ。

「ヤングジャンプ」で連載が始まったときのことを思い出す。絵は荒く、キャラクター設定もイマイチ、取り上げる音楽も古臭い。「女子に良いところを見せたくて…」というありきたりなシナリオ…いまどきなぜこんなマンガが出ているのか? 逆の意味で衝撃を覚えさせられる程の作品だった。実際、榎屋本人や担当編集も「死ぬほど人気がなかった…」と当時を振り返っている。

しかし、そのストレートさゆえに、ロックンロール愛、マンガ愛が読者にダイレクトに響いたとはいえないだろうか。『日々ロック』が他とは違う魅力を持ち得た理由はそこにあるはずだ。

良いマンガの条件はいくつかあるが、読み終えた後に「それをやってみたい!」と思わせられるかどうか、という点があげられるだろう。『スラムダンク』のバスケットボール、『ちはやふる』の競技かるたなど、マンガをきっかけに設定舞台がブームになった例は多い。洗練といった観点からみると『日々ロック』は良いマンガとは決していえないが、読者にリアルな能動を働きかけるという点では、先に上げた2作品と同じ系譜に入るといえるのではないか。

マンガという二次元が三次元のリアルに移行するとき、新しい作品の読み方や感じ方、そして作家と読者のコミュニケーションが生まれてくる。それは、親和性の高い他のジャンルにエンコードすることで、より多くの人とつながっていく現象——同人誌やニコニコ動画での二次創作のような——に似ている。ジャンルやメディアという垣根を超えるとき、マンガの可能性がまたひとつ、広がっていく。

ohta
文=凹田カズナリ
街の文化を支える書店チェーンで勤務。平和台→早稲田→五反田店でコミック担当を歴任。現場で仕入れた知識を広めるべくマンガナイトにも参画。2011年~「このマンガがすごい!」「このマンガを読め」にもアンケートを寄稿。日本橋ヨヲコ、鶴田謙二、長田悠幸、阿部共実、きくち正太、山田穣、谷川史子、堀井貴介、沙村広明、松本藍、篠房六郎(敬称略・順不同)を筆頭にオールジャンル好きな漫画多数。

関係の深化が進む同人誌と商業誌

マンガ業界で商業誌の登竜門のひとつとなってきた同人誌業界。その同人誌文化が商業誌の中で存在感を高めている。マンガの歴史を見れば、「次のマンガの担い手」は常にその時代のマンガ文化の周辺から生まれてきた。同人誌市場と商業誌市場の関係の深化が進む現状はマンガ市場の活性化につながるかもしれない。

私が最近見つけた深化の一例が、「ジャンプ・スクエア」(集英社)で連載中の『放課後の王子様』。「週刊少年ジャンプ」で連載していた(現在は「ジャンプ・スクエア」で連載中)『テニスの王子様』を元にしたギャグマンガだ。

中身はテニスの王子様の主人公、越前リョーマら登場人物の日常を描いた4コママンガ。本編の『テニスの王子様』ではかっこよく描かれているリョーマらが、学校生活や練習で手塚国光部長らとバカをやったり、ライバル校の氷帝学園主将、跡部景吾がお金を使ってとんでもないことをやったりする。絵柄も本編のスタイリッシュな線ではなく、ギャグマンガのように造形がやや崩れ、線も少なくなっている。ちなみにテニスの試合(通常・超人版)はほとんどしない。本編のファンの中には「イメージが崩れる」と反発する人もいるだろうが、私が初めてこれを読んだときは、おもしろいと思うと同時に「これってコミックマーケットなど同人即売会で売られる二次創作でないの?」と思った。(もちろん作者の許斐剛が原案・監修となっていて、集英社から出ているので「公認」のはず)

もともと『テニスの王子様』でも試合のあとに主人公のリョーマが所属する青春学園のメンバーと、ライバル校の選手が一緒に焼き肉を食べに行ったり海辺ですいか割りをしたりなどのエピソードがあったので、作者も試合や練習以外を描くことが嫌いではないのだと思う。『放課後の王子様』の作者、佐倉ケンイチも 本編を読み込んでいるようで、キャラクターの性格などにも齟齬はない。

『放課後の王子様』がやっている、「本編で出てこないことやその関係を妄想してマンガ(や小説)にする」こと。私はこの行為は、同人誌市場で育ってきたものだろうと思う。また、物語性の高い作品からキャラクターだけを取り出して4コママンガにすることは、ゲーム「ドラゴンクエスト」を元にした4コママンガなどマンガ史の中でも伝統的な行為だ。物語に登場するキャラクターが強いからこそできることでもある。

もちろん本来の意味での創作の同人誌も活況だ。よしながふみら同人誌出身のマンガ家も数多く活躍している。同人誌即売会のコミティアは100回目を迎え、商業誌で活躍するマンガ家も出展。二次創作をしながらオリジナルのイラストなどを描く人も多い。

同人誌市場は確かに商業出版から見れば異端であり傍流だ。しかし松岡正剛をして「文豪」といわしめた手塚治虫など今の日本のマンガ市場を作り上げた人々は、当時のマンガ業界では傍流だった大阪の「赤本」から登場した。同人誌と商業誌の関係の深化は、傍流だった同人誌文化が力を持ち始めた証左といえるのではないか。

文=bookish
1981年生まれ。「ドラえもん」「ブラック・ジャック」から「週刊少年ジャンプ」へと順当なまんが道を邁進。途中で「りぼん」「なかよし」「マーガレット」も加わりました。主食はいまでも少年マンガですが、おもしろければどんなジャンルも読むので常におもしろい作品を募集。歴史や壮大な物語をベースにしたマンガが好み。マンガ評論を勉強中。マンガナイト内では「STUDIOVOICE」のコラムなど書き物担当になっています。マンガ以外の趣味は、読書に舞台鑑賞。最近はサイクリングも。

マンガリーディングナイト〜新学期編

マンガナイトは4月14日、マンガを共有する「マンガリーディングナイト〜新学期編」を開催しました。小雨が降るなか、参加者が集まるか心配しましたが、想像以上に面白いマンガが集まりました。持ってきたマンガをテーマに作ってもらった、店頭で販促に使うPOPも力作ぞろいでした。

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歴史マンガ隆盛の示す、時代の閉塞感

歴史を題材にしたマンガの人気が高まっている。今年のマンガ大賞の第3位は『信長協奏曲』。出版社を超えた共同販売促進活動も行われている。一方で、科学が今よりも発展した未来の世界を描く骨太のSFマンガは勢いのある作品が少ない。閉塞感の強い社会を反映しているのではないだろうか。

『信長協奏曲』は「月刊少年サンデー」(小学館)で連載中の歴史マンガ。現代の高校生が戦国時代にタイムトリップし、体が弱いという設定の織田信長と入れ替わって天下統一を目指すというストーリー。織田信長が当時の人間としてはとっぴな行動が多かった理由を、現代人だったという設定にしているところがおもしろく、かつこれまであまり見られなかった設定だ。(これまでのタイムトリップものは未来の人間が過去に別の人格として生きたり、入れ替わって別の人生を歩もうとしていた)織田信長や戦国時代を題材にしたマンガはすでにたくさんある。だがこの作品の連載が始まったときは「ああ、まだこの手があったか」と驚くと同時にうれしかった。少女マンガの雰囲気を漂わせる絵柄が、戦国時代の血なまぐさい雰囲気を和らげているところも読みやすさの一因だ。もちろん結末には史実という制約があるものの、ほかの戦国武将との戦い、羽柴秀吉との戦い、本能寺の変など、今後の展開というより史実をどう描くのかが楽しみで仕方がない。

今マンガ市場では歴史マンガに勢いがある。小学館やエンターブレインなど4出版社は合同で4月末から「ヒストリカルコミックフェア」を実施。『信長協奏曲』をはじめ『ドリフターズ』『乙嫁語り』などを取り上げている。

一方で歴史とは逆の時間軸を描くSFマンガは精彩を欠く。科学を題材にしたマンガは多いものの、「科学の力で明るい未来が待っている」というSFマンガが少なく、「閉塞感がある」(都内で働く書店員)と指摘する声もある。

日本マンガの歴史の中では、かつてSFマンガが主役となった時代があった。1960〜70年代、手塚治虫や藤子・F・不二雄は特に子ども向けマンガで、科学による明るい 未来の実現を描き、鉄腕アトムやドラえもんを生み出した。当時は現実社会が科学の力で大きく発展。新幹線の開通、大阪での日本万国博覧会の開催など「科学に基づく技術が人々の生活を豊かにする」と素直に信じることができた。

翻って現代では、科学に基づく技術が必ずしも人々の生活を豊かにするわけではなく、逆に人の命を脅かすこともありうることが明らかになっている。そのなかでは科学が明るい未来をもたらすと一方的には描きにくい。

科学の研究が進みすぎたがゆえのジレンマもある。当時は科学の発展の余地が大きかったがゆえに、マンガ家が最新の研究成果をもとに自由に想像力をはたらかせ「このような未来になるかもしれない」と描くことができた。科学の研究が進み、生活に身近になった現代では、今の科学や技術水準を元にどのような未来が実現するかシミュレーションができてしまう。マンガの世界にリアリティが求められるようになったことも影響しているだろう。そのため想像力を過去=歴史に向かって使うマンガ家が増えたのではないだろうか。結果が確実な科学よりも、人間の行動が左右する過去の世界の方が想像力をはたらかせ、マンガ的なおもしろさを描きやすいのかもしれ ない。

歴史好きとしては、歴史を扱うマンガが増えるのはうれしい。だが本来娯楽であるはずのマンガで、明るい未来や世界が見られなくなるのは寂しい気もする。

文=bookish
1981年生まれ。「ドラえもん」「ブラック・ジャック」から「週刊少年ジャンプ」へと順当なまんが道を邁進。途中で「りぼん」「なかよし」「マーガレット」も加わりました。主食はいまでも少年マンガですが、おもしろければどんなジャンルも読むので常におもしろい作品を募集。歴史や壮大な物語をベースにしたマンガが好み。マンガ評論を勉強中。マンガナイト内では「STUDIOVOICE」のコラムなど書き物担当になっています。マンガ以外の趣味は、読書に舞台鑑賞。最近はサイクリングも。

「修斗」を通していまの若者像に迫る、格闘マンガ

一人の人間が生み出すマンガは、しばしばその時代を切り取ったり反映したりすることがある。特に物語の中心となる主人公は、各マンガ家が思い入れを持って自分なりの人物像を作ろうとする一方、そのときどきの読者が共感しやすい性格となることが多い。マンガの読者の若者が無理なく共感できる主人公となるのだ。

たとえば格闘技マンガ『オールラウンダー廻』。主人公の廻は高校生。美術部に所属しているが、「世の中が不況なので何か打ち込めるものがないとヤバい」「小学校の頃だけ空手をやっていた」との理由で、総合格闘技「修斗」を始めた。

修斗は「打・投・極」をコンセプトにした現実に存在するプロ化している格闘技。アマチュア修斗に入門した廻は、「今は楽しくやれていればいい」と思いながら、半年後にはアマチュア修斗ライト級に勧められるがままに参戦。その後は、プロ修斗の練習にも参加して、プロを目指すこととはどういうことかを考え始める。

このマンガのおもしろさは、主人公の「低温状態」だ。これまでの格闘技マンガの主人公は熱血漢だったり格闘技への情熱を持っていたりした。1993年〜2003年まで連載され、今も続編が描かれている「高校鉄拳伝タフ」の主人公キー坊は、灘神影流活殺術の第15代目継承者として世界最強の選手になって自分なりの灘神影流を作り上げるという目標を掲げている。

これに対し、廻はプロを目指しているわけでもないし、周囲の人間や読者を魅了する華麗な得意技も持たない。格闘技を選択する必然性も勝利へのこだわりもないのだ。廻は次第に修斗にはまっていくが、そのはまり方も気負いがない。他人から指摘されて、格闘技が好きということに気付き、勝利して初めて勝つことも良いものだと思う。目標も常に手の届くところにあるもののみで、大きな目標は抱かない。

廻の受け身な性格と無理のない動機は、「追いつき追い越せ」が至上命題だった団塊世代やバブル世代には物足りないかもしれない。だが、これは今の若者像に非常に近い。修斗を楽しみながら、小さな目標や満足を見出し、その世界にいることの幸せに気づく。ある世界に自分の居場所を見つけていき、着実に成長して次のステージに進んでいく姿こそ、現代の若者が目標とするものなのだろう。現実世界でも廻のような若者を、「気合が足りない」と退けるのではなく、これまでとは違う目標を持っているのだと理解する必要があるようだ。

文=山内康裕
1979年生。法政大学イノベーションマネジメント研究科修了(MBA in accounting)。 2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。 イベント・ワークショップ・デザイン・執筆・選書(「このマンガがすごい!」等)を手がける。 また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、“マンガ”を軸に施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。 主な実績は「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「池袋シネマチ祭2014」「日本財団これも学習マンガだ!」「アニメorange展」等。 「さいとう・たかを劇画文化財団」理事、「国際文化都市整備機構」監事も務める。共著に『『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方(集英社)』、『人生と勉強に効く学べるマンガ100冊(文藝春秋)』等。

マンガリーディングナイト〜新学期編

マンガナイトは2012年4月14日(土)、マンガリーディングナイトを開催します。

マンガリーディングナイトは、マンガナイトではお馴染、小グループでマンガを回し読みした後に、読んだマンガや感想を共有するというスタイルです。
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「誰」のために「何」を選んだのか?

マンガランキングを考える『外天楼』『ブラック・ジャック創作秘話』『花のズボラ飯』『I(アイ)』これらのマンガのうち2011年末~12年初めに発表されたランキングで「1位」になった作品はどれだかわかるだろうか。答えは全部。市場の拡大を受け、マンガのランキングは純粋な売り上げランキングから書店員による投票ランキングまで相次ぎ登場している。コンテンツを選ぶための手段が、コンテンツになるという、まさにループ状態。

どのランキングをどう読み解くかが、読者に問われている。

背景にあるのはマンガ市場に関わる人の増加だ。「右手にジャーナル左手にマガジン」世代が50代となり、今や組織の決定権を持つ。週刊少年ジャンプが600万部超の販売を達成した黄金時代にリアルタイムで読んでいた人は20~30代となり、書店員や編集者としてマンガ発行の最前線にいる。だからこそ、全国の書店員3,000人にアンケート用紙を配布する「オトナファミ」のランキングも可能になった。また夏目房之介氏など評論家が仕事として確立し始めることで、フリースタイル発行のムック本「フリースタイル」に掲載される「THE BEST MANGA2012」のように評論家の投票が多いランキングも成立。大人もマンガを読むことが当たり前になった結果、宝島社発行の『このマンガがすごい!』には芸能人ら各業界のマンガ好きがコメントを寄せる。

この現状に対してひとつの答えを示したのが、NPO法人ツブヤ大学が2月中旬に開催したManGa講座「マンガランキングを考える」。実際にマンガランキングに投票しているあゆみBOOKS早稲田店のコミックス担当太田和成氏、往来堂書店のコミックス担当の三木雄太氏、マンガを介したコミュニケーションを促すイベントを主催するユニット「マンガナイト」の代表、山内康裕氏らが登壇し、「使えるランキングの読み方」を解説した。講座の中で明らかになったのは、書店員や評論家の投票には、「今なぜこれを薦めるのか」という思いが大きいうえ、ランキングが掲載されるメディアから読者層を想定している。株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所の代表を務める横田尚哉さんは問題解決において「誰のために、何のために」を重視している。同様に、マンガランキングでも、それぞれのランキングが、どのようなマンガ読みに対して何のために作られたのかを、選者などから読み取る必要がある。マンガは本来人によってとらえ方が違うため投票した人の感想なども読み応えがある。

最近はツイッターを使った一個人による投票、フェイスブックアプリ「MangafulDays(マンガフルデイズ)」を使った個人ランキングも簡単に作れるようになっている。マンガランキングの世界は一段の広がりが期待できそうだ。

ツブヤ大学ManGa講座「マンガランキングを考える」(2月10日にUstreamで行われた講義より)

Broadcast live streaming video on Ustream

MangafulDays
「MangafulDays」はマンガに特化したSNS。Facebookと連携、実社会の友人・知人とマンガを通じてコミュニケーションできる。「生涯最高傑作マンガMyBest5」「今注目しているマンガMyBest5」等の「MyBest5」を登録できるのが特徴。「あの場面のセリフが感動!」といったやりとりで、すでに多くのユーザーが参加している。

文=bookish
1981年生まれ。「ドラえもん」「ブラック・ジャック」から「週刊少年ジャンプ」へと順当なまんが道を邁進。途中で「りぼん」「なかよし」「マーガレット」も加わりました。主食はいまでも少年マンガですが、おもしろければどんなジャンルも読むので常におもしろい作品を募集。歴史や壮大な物語をベースにしたマンガが好み。マンガ評論を勉強中。マンガナイト内では「STUDIOVOICE」のコラムなど書き物担当になっています。マンガ以外の趣味は、読書に舞台鑑賞。最近はサイクリングも。

「ザ☆マンガ飯 presented by マンガナイト×Comicalu」開催のお知らせ

「マンガナイト」と、マンガをテーマにしたプロダクト・ブランド「Comicalu(Produced by NOSIGNER)」がコラボレーションして、ワークショップスタイルのパーティイベントを開催します。

日時
2012年3月31日(土)18:00〜21:00(開場17:30)
参加料
4,000円 フード&2ドリンク
会場
空き地」(原宿駅徒歩6分または北参道駅徒歩4分)
定員
25名(立食スタイル)

ツブヤ大学ManGa講座「漫画家と書店」のご案内

代表 山内康裕がトーク企画と当日進行を担当しています。

大東京トイボックスがマンガ大賞にノミネートされているうめ先生や書店員の方々と、新たな漫画家と書店のあり方やコニュニケーションについて話します。

日時
3月23日(金)20:00〜22:00
会場
インステップライト(下北沢駅南口徒歩2分)
出演
うめ 小沢高広(漫画家) 石田真悟(あおい書店横浜店) 太田和成(あゆみBOOKS早稲田店) 山内康裕(マンガナイト)

「MISS 4月号」に選書協力しました

発売中の女性ファッション誌「MISS4月号」の本コーナー「イチ押しサプリマンガ」(p.221)にて、代表 山内康裕が選書協力をしています。

ぜひ、書店でお買い求めください。

ツブヤ大学ManGa講座「マンガランキングを考える」のご案内

2月10日(金)開催ツブヤ大学ManGa講座「マンガランキングを考える」代表 山内康裕がトーク企画と当日進行を担当しています。

「このマンガがすごい!」や「このマンガを読め」「マンガ大賞」のランキングの傾向や楽しみ方などを、選者となっている書店員の方々等と話します。

日時
2月10日(金)20:30〜22:00
会場
インステップライト(下北沢駅南口徒歩2分)
出演
山内康裕 太田和成 三木雄太 武田俊

【マンガ×アート2.5次元】開催のお知らせ

Talk Session 中村ケンゴ×NOSIGNER×Creative Commons Japan×マンガナイト【マンガ×アート2.5次元】を開催します。代表 山内康裕、永井幸輔が出演します。

日時
1月29日(日)19:30 OPEN 〜 20:00 START 〜 22:00 END
会場
SUNDAY ISSUE

2012マンガリーディングナイト&新年会

1月21日(土)、マンガナイト企画イベント「マンガリーディングナイト&新年会」(二部構成)を末広町Cafe Asanにて開催しました。大寒の、みぞれ混じりの雨天にも関わらず、約50人もの方々に参加いただき、2012年の賑やかなスタートをきることができました。以下に当日の様子をレポートします。


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2012マンガリーディングナイト&新年会

おかげさまで第一部【マンガリーディングナイト】は満席になりましたので、現在参加予定表明をくださっている方で、いったん締め切らせていただきます。

引き続き20:30〜の第二部【新年会】は参加予約を受け付けておりますのでよろしくお願いします。(1月13日)

マンガナイト2012年最初のイベントは、マンガリーディングナイトと新年会の二部制です!
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ツブヤ大学ManGa講座「マンガ書店員バトル~にがくてあまい/小林ユミヲ特集~」

マンガナイトは10月2日、横浜市中区野毛Hana*HanaでManGa講座を開きました。横浜地区で様々な講座を手がける「ツブヤ大学」との共催。書店員がテーマに沿って書店の売り場のような書棚を作る「マンガ書店員バトル」と特定の作品のPOPを作る講座の二本立て。約30人がUSTREAMで視聴するなど注目を集めました。

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「マンガ書店員バトル〜にがくてあまい/小林ユミヲ特集〜」動画公開

10月2日に開催された「マンガ書店員バトル〜にがくてあまい/小林ユミヲ特集〜」、書店員マンガ棚バトルとワークショップの様子がツブヤ大学にて公開されています。ぜひご覧ください!

※ イベント詳細の報告レポートは近日中にアップ予定です

マンガ書店員がお題に基づき用意したマンガを書棚に刺しながら紹介。参加者および視聴者の方々の投票で最も支持を得た書店員が勝利。

※ 各書店員が紹介したマンガ棚は、講座後にあおい書店横浜店に登場

参加者によるPOP大会をワークショップ形式で行った。優秀賞として、作者のサインイラストをご用意しています。

マンガ書店員バトル〜にがくてあまい/小林ユミヲ特集〜


ツブヤ大学ManGa講座にて、「マンガ書店員バトル」という新イベントを開催します。3名のマンガ担当の書店員が架空のフェアを想定し、イチオシのマンガを書棚に並べながら紹介します。

投票により、ギャラリーから最も支持を得た書店員が勝利という、白熱すること間違い無しの内容です。

当日はUSTREAM閲覧者も投票ができますので、会場に足を運べない方もぜひご投票ください。

そして、個別作品にクローズアップしたワークショップも行います。

にがくてあまい

© Yumio Kobayashi 2011/MAG Garden

今回は「にがくてあまい/小林ユミヲ」特集です。

グループになって作中の「胸キュン」シーンを共有し発表します。また参加者のみなさんによるオリジナルのPOP大会も行います。

小林ユミヲ先生のサインイラストや複製原画を手に入れるチャンスもあります。

※ 小林ユミヲ先生は登壇されませんのでご了承ください。

小林ユミヲ先生のファンの方々だけでなく、新たなマンガとの出会いを探している方や、マンガを通じたコミュニケーションを求めている方も、お楽しみいただける内容になっています。

ぜひ、ご参加ください。

本イベントはツブヤ大学主催となりますので、参加予約(事前予約制)は、

からお願いします。


概要
前半:書店員マンガ棚バトル
マンガ書店員がお題に基づき用意したマンガを書棚に差しながら紹介します。参加者および視聴者の方々の投票で最も支持を得た書店員が勝利となります。
※ 各書店員が紹介したマンガ棚は、講座後にあおい書店横浜店に登場します。
後半:「にがくてあまい/小林ユミヲ」ワークショップ
「にがくてあまい」第1巻での「胸キュン」シーンを共有するワークショップになります。また、参加者によるPOP大会も行います。優秀賞として、作者のサインイラストをご用意しています。
※ 小林ユミヲ先生は登壇されませんのでご了承ください。
登壇者
三木雄太(往来堂書店
太田和成(あゆみBOOKS早稲田店
石田真悟(あおい書店横浜店
山内康裕(マンガナイト代表)
天野顕仁(株式会社マッグガーデン
石井正記(株式会社マッグガーデン
開催日時
2011年10月2日(日)15:00〜17:30(14:40開場)
料金
1,500円(1ドリンク付き)
定員
50名
会場
野毛Hana*Hana
住所:横浜市中区花咲町1丁目42−1
TEL:045-325-8123
地図

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参加方法
事前予約制:ツブヤ大学ManGa講座告知ページにて、

  • E-mail(infoアットマークuniv2289.jp)
  • Twitter
  • Facebook

のいずれかからご申込ください。

※ 参加者は「にがくてあまい/小林ユミヲ/第1巻/マッグガーデン」を事前にお読みください。
※ 当日はツブヤ大学WEBよりUSTREAM放映します(投票参加いただけます)。
主催・協賛
主催:NPO法人ツブヤ・ユニバーシティー(ツブヤ大学)
企画:マンガナイト
協賛:株式会社マッグガーデン

 

さよなら漫楽園 みんなでマンガ読まナイト

マンガナイトの黎明期を支えた都内最古の純漫画喫茶「神保町漫楽園」がビルの老朽化に伴い、9月25日をもって、閉店することになりました。そこで、漫楽園への感謝の気持ちを込めて、さよならイベントを開催します。

丸1日思う存分マンガを堪能できるイベントです!

当日は開店10時~閉店22時まで1日フリーパス特別価格1,500円でマンガ読み放題。

ミニ企画として、漫楽園内にマンガナイトの小部屋を設け、マンガナイトメンバーが常駐。

それぞれの得意ジャンルのマンガ紹介等をします(プログラムは下記参照)。

がっつりマンガを読むのもよし、マンガナイト小部屋でまったりマンガトークするのもよし、読書の秋の1日をマンガでどっぷり浸かってみてはいかがでしょうか。

営業時間内での入退出は自由ですので、ご都合にあわせてフラッとお立ち寄りください!

※ 時間ごとの料金プランについては神保町漫楽園の通常料金となります。

みなさんのご来場をお待ちしています。


開催日時
2011年9月23日(金・祝)10:00〜22:00(入退場自由)
会場
神保町漫楽園(地下鉄神保町駅徒歩4分)
住所:東京都千代田区神田神保町1-19 ポニービル2階
TEL:03-5280-5666
地図

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ミニ企画プログラム
時間 ミニ企画名 内容 担当
11:00~13:00 読み食い方研究 グルメ漫画を読みながら昼食を食べ、「読み食い方」を研究する 岡本
15:00~16:00 将棋でドン 対局・詰め将棋の出しあい 本多
17:00~19:00 【特別企画】4コマ漫画zine制作ワークショップ 4コマ漫画をみなさんで描いて、その場で小冊子を作ります ※ 特別企画のみ参加料が別途500円かかります
20:00~21:00 ド○ンゴスの人生相談 人生相談 向坊,岩渕,阿部
21:00~22:00 カズノコの穴2011 上半期マンガベスト紹介 太田
主催
マンガナイト

9月23日(金・祝)「さよなら漫楽園 みんなでマンガ読まナイト」

マンガナイトメンバーによる、ミニ企画のプログラムが決定しました。

※ 一部プログラムが変更となりました(9月22日)
※ 代表 山内は会場に常駐(10:00~22:00)しています。
時間 ミニ企画名 内容 担当
11:00〜13:00 読み食い方研究 グルメ漫画を読みながら昼食を食べ、「読み食い方」を研究する 岡本
15:00~16:00 将棋でドン 対局・詰め将棋の出しあい 本多
17:00~19:00 【特別企画】4コマ漫画zine制作ワークショップ 4コマ漫画をみなさんで描いて、その場で小冊子を作ります ※ 特別企画のみ参加料が別途500円かかります
20:00~21:00 ド○ンゴスの人生相談 人生相談 向坊,岩渕,阿部
21:00~22:00 カズノコの穴2011 上半期マンガベスト紹介 太田

マンガ直行便【経過報告】

マンガナイトは、少しづつではありますが、現在も被災地支援活動を続けています。

宮城県石巻市の雄勝地区において、出張カフェイベントを通じて被災地支援を行っている「まほろば」さんのカフェ空間に、ほっとするようなマンガと絵本をセレクトして届けています。

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