マンガリーディングナイト〜新学期編

マンガナイトは4月14日、マンガを共有する「マンガリーディングナイト〜新学期編」を開催しました。小雨が降るなか、参加者が集まるか心配しましたが、想像以上に面白いマンガが集まりました。持ってきたマンガをテーマに作ってもらった、店頭で販促に使うPOPも力作ぞろいでした。

今回のテーマは「小学生から社会人までそれぞれの世代に読んでほしいマンガ」。「あのときこのマンガを読んでよかった」「当時は出版されていなかったけれどいまの人たちにはこれを読んでほしい」と思う作品を持ち寄りました。

当日は「小学生」「中学生」「高校生」「社会人」と持ってきたマンガを薦めたい世代ごとに分かれました。代表山内康裕氏のあいさつのあと、ブースごとに自己紹介とマンガの紹介。それぞれのブースではメジャーなマンガから、マイナーな作品まで幅広い作品が集まりました。

たとえば小学生ブースでは紹介されたのは、岡田あーみん氏の「こいつら100%伝説」と「お父さんは心配性」。「こいつら100%伝説」を持ってきた方は「自分が子供のころ読み逃していた作品の一つ」と紹介。「お父さんは心配性」は親がきらっていたので当時は読んでいなかったそうで「食わず嫌いせずに読んでおけばセンスの良さが手に入ったかも」と話しました。

ちなみにこのブースで最も人気を集めたのは松島直子氏の「すみれファンファーレ」。マイナーなマンガ家が集まる雑誌「IKKI」で連載中で、主人公は父子家庭の小学4年生の女の子。さわやかな日常話が展開されるそうです。

中学生ブースでは個性的な作品が登場。難しいといわれる思春期を迎える中学生には何がいいのか。このブースでは石黒正数氏の「ネムルバカ」「探偵綺譚」などがあげられました。「ネムルバカ」は大学生のどうでもいい生活を描く日常マンガ。「少し上の世代の生活を垣間見ることで、中学生時代を腐らずに過ごせる」そうです。「探偵綺譚」は短編集。「藤子・F・不二夫氏の短編集を読んでマンガの面白さをしった。ぜひ石黒さんの短編集で今の人たちもマンガの楽しさを知ってほしい」とのこと。

高校生ブースでは最新の人気マンガが登場。ヤマシタトモコ氏の「BUTTER!!」やタアモ氏の「少女のメランコリー」など。高校生という難しい時期にさわやかな雰囲気を与える作品が集まりました。

社会人ブースに集まったのも個性的なマンガ。不条理さを味わうつげ義春氏の「ねじ式」、信濃川日出雄氏「fine」にジョージ朝倉氏の「ハッピーエンド」など。「fine」は「思い通りに生きられないけれど、厳しい現実のなかでそれを抱えていく姿」を描いているそうです。

そしていつものリーディングタイムに。一気に静かになり、みなもくもくと読み出しました。

本当に盛り上がっているのかどうかわからず不安になります。


みなが一通り読み終わったところでPOP作成講座へ。マンガナイトメンバーの本多正徳氏、太田和成氏(あゆみBOOKS早稲田店の書店員)より、黒板で実演しながらのPOPの作り方の説明。「そもそもPOPとはタイトルだけではわからないものを伝えるもの」「POPには印象的な言葉、タイトル、あらすじが不可欠」「普段は5~10分程度で書く」とのこと。

「これまで書いたPOPのうちどれが1番売り上げに貢献したか」という質問に対して太田氏は「『刻刻』という時間にかかわるマンガで時計付きのPOPを作ったときは結構反応が大きく、刻刻は都内で5番目の売り上げになった」と答えました。そして急きょ、みなが作ったPOPのうち、太田氏の選んだものがあゆみBOOKS早稲田店に並ぶことに!

それぞれのブースが力作のPOPを発表する時間では、小学生ブースに登場した「すみれファンファーレ」に注目が集まりました。小学生ブースに参加した人々がほぼ全員読み次々にコメントすることになり、会場は圧倒されていました。

参加者の方々が作ったPOPはどれも力作ぞろいでしたが、太田氏が選んだ優秀作品はタアモ氏の「少女のメランコリー」とジョージ朝倉氏の「ハッピーエンド」。「少女のメランコリー」用につくられたPOPは後日見事あゆみBOOKSの店頭に登場しました。

参加者のみなさま、ありがとうございました。今後ともよいマンガとの出会いを!