1月21日(土)、マンガナイト企画イベント「マンガリーディングナイト&新年会」(二部構成)を末広町Cafe Asanにて開催しました。大寒の、みぞれ混じりの雨天にも関わらず、約50人もの方々に参加いただき、2012年の賑やかなスタートをきることができました。以下に当日の様子をレポートします。
◆
第一部「マンガリーディングナイト」は、大人数でマンガを読み合い、人と人とのつながりを通してマンガとの出会いを促進する、マンガナイト草創期からの人気コンテンツです。今回は、参加者全員に「2011年に読んでグッときた」というテーマでマンガ1冊ずつを持ち寄っていただきました。
どのように「グッときた」のか? 参加者は「笑った/唸った/キュンとした/泣いた」の区分でグループに分かれてもらいました。それぞれのグループで自己紹介&持ち寄りマンガ紹介に続き、回し読みをスタート。
マンガに没頭している最中は、会場内が静まり返ります。内面の集中力に反比例したこの現象はリーディングナイトではもはや見慣れた風景です。ここで静かであるほど、後のマンガ談義が盛り上がるというもの。なので、余裕を持って店内を見渡してみます。
こちらCafe Asanは、2k540 AKI-OKA ARTISAN(秋葉原と御徒町を結ぶガード下に「ものづくり」をテーマとしたアトリエショップが立ち並ぶ、都内で注目度上昇中のエリア)に登場した、オシャレかつクリエイティビティを感じさせるスペースです。
店内は壁が黒板になっていたり、フキダシをモチーフにしたオブジェが壁に掛かっていたり、マンガナイトのイベントの雰囲気にもぴったりな空間演出です。実用的にも、電源・無線LANが自由に使用できるのはポイントが高い!
会場の一角には今回のイベント向けの物販コーナー(今日限り)もありました。マンガナイト公認グッズとしてオリジナル缶バッヂ(300円)、Tシャツ(2,000円)が販売されていたようです。購入いただいた方には、ありがとうございました。今後のイベントでも見かけたら冷やかしてくださいね。
さて1時間の回し読みタイムの後は、自分たちのグループで面白かったマンガを他の人たちにプレゼンする「発表会」の準備開始です。壁一面の黒板に、読んだマンガのタイトル・印象的なセリフ・イラストを気持ちの赴くがままに描いてゆきます。チョークの手触り、黒字に白の柔らかな線に「なつかしい」という声もあがりました。
それぞれのグループで前に出て、簡単なプレゼンも。各グループにつき特に3冊ずつを挙げてもらいました。会場が一体となります。プレゼンを聞いていて、私も初期のリーディングナイトで前に出て喋ったとき、すごく緊張したことを思い出しました。でも話した後に、発表したマンガに興味を持ってくれた人が高確率で話しかけてくれるので、とても嬉しかったものです。少しでも発信することで、より良いものを受信できる気がします。
- 「唸ったマンガ」グループ
- ストレニュアス・ライフ…さまざまな職業のオムニバス
- 秘密…サスペンス感にぐっときました
- 七夕の国…超能力を持つ一族の謎を解き明かすスケールの大きなストーリー
- 「笑ったマンガ」グループ
- ムダヅモ無き改革…政治の交渉をマージャンでやっていたというお話
- 匠三代…親子三代の工務店のお話。建築業界の裏話を話しつつ、人物描写が面白い
- ふしあな…江戸時代を舞台にした人情話。なんと絵柄が浮世絵風! くすりと笑える作品
- イケてない10代…30代前後の女性でぱっとしない高校時代をおくった人なら共感できる筈
- 「泣いたマンガ」グループ
- いつかみた青い空…児童施設の実体験のオムニバスマンガ
- 蛍火の杜へ…妖怪と人間の交流話。キュンとくるところも多い
- ふわり!…社会人チームの作る人力飛行機でのコンテスト話。2巻からの真っ直ぐさが泣きポイント
- 「キュンとしたマンガ」グループ
- 失恋ショコラティエ…チョコレートの表現が細やか。オトコを振り回す女性と振り回される男にキュン
- 乙嫁語り…近代アジアを舞台にした20歳の奥さんと旦那(12歳)の夫婦物語
- 恋愛恐怖症…遺伝してしまった母親の男性に対するトラウマを、ある事件をきっかけに解消していく様がキュンとする
発表後には, 印象的な台詞のみが見えるようにカバーでラッピングされているマンガナイトオリジナルグッズのフキダシコミックスがおみやげとして手渡されました。直感的に台詞を選んで手に取っていただきました。
新しいマンガ、読みたいマンガに出会えたでしょうか? 初対面の人同士で最初はぎこちない会話も、好きなマンガを通して語り合ううちに旧知の仲のようになってゆく、そのような風景が見られるのもスタッフとして嬉しい一時です。かくしてイベント第一部「マンガリーディングナイト」は成功裏に終了し、一本締めの中締めを行いました。
◆
第二部は「マンガナイト新年会」です。最初の代表挨拶では、2012年のマンガナイトの方針を発表しました。キーワードは「リーディングナイト年4回開催」「書店員や出版社、漫画家とのコラボレーション」「マンガ×アートの新境地」など。詳細は、随時このウェブサイトでもお報せしますのでご期待ください。
そして新年会のメインイベント、マンガ交換が始まりました。持ち寄ったマンガを、グッときたセリフを書き込んだしおりを頼りに交換します。自分の交換相手が見つからない? そんな時も心配ご無用。今回のイベントのために特別結成されたユニット「3DJと牛RAP」が店内放送さながらにセリフを読み上げ、交換相手を探してくれます!(新機軸)
3DJは今回のイベントの音周りを一手に管理、マンガをテーマにしたBGMや、懐かしアニメの映像を流して会場を盛り上げてくれました。牛RAPもお疲れ様でした!
さらにスペースの一角には、「このマンガがすごい!2012」「THE BEST MANGA 2012 このマンガを読め!」などと共に、話題のマンガ、現役書店員カズノコ君の2011年おすすめマンガを閲覧できる特別コーナーが設けられました。
マンガを交換した同士でじっくりと語り合う二人、第一部の感想に興じる人たち、業界人同士のディープな情報交換を行う集団、もはやマンガとは関係ない話題に興じるグループ… 混沌とした会場ですが、新しいマンガとのつながり、新しい人とのつながりが生まれてくる現場がここにある。と、そう思いました。
最後に恒例の集合写真。
外気の寒さをものともしない熱気の中、最高の新年会にすることができました。みなさんに支えられて、2012年もマンガナイトは頑張って行けそうです。本当にありがとうございました。(本多正徳)