greenz.jpとのコラボレーション連載「マンガ×ソーシャルデザイン」が掲載されました、タイトルは「選書することに、どんな意味があるの? 選書のプロと一緒に考える“本を通じた場所づくり”のヒントとは(前編)」になります。
選書することに、どんな意味があるの? 選書のプロと一緒に考える“本を通じた場所づくり”のヒントとは(前編)


greenz.jpとのコラボレーション連載「マンガ×ソーシャルデザイン」が掲載されました、タイトルは「選書することに、どんな意味があるの? 選書のプロと一緒に考える“本を通じた場所づくり”のヒントとは(前編)」になります。

マンガナイトは5月11日、2013年2回目のリーディングイベント「マンガナイト読書会―思い出の’90年代編」を開催しました。
今回の会場は飯田橋駅近くカフェ「CONGRATS CAFE」。
なんと、街中の駐車場の上にあります。なんだかマンガみたいなスペースの使い方です。
会場内は木目調の机やカウンターでとてもおしゃれな雰囲気です。イベント抜きにしてもゆっくり本やマンガを読みたい場所です。ソファやいすもいい座り心地でした。

読書会は代表の山内の挨拶でスタート。今回のテーマは「’90年代っぽいマンガ」ということで、ブースを「少女」「少年」「青年」の3つにしました。
一通り参加者が自己紹介し、持ってきた作品について話すと読書タイム。一気に静かになります。横で持ってきた作品の紹介を聞いていましたが、なかなか時代を反映したものが。月刊コロコロで連載していた小野敏洋氏の「バーコードファイター」、ご存じでしょうか? 90年代当時発売されていた「バーコードバトラー」という電子ゲーム機を題材にしたメディアミックス作品です。男子にはすごく人気だったらしいですよ。筆者もこれに似た玩具(スーパーバーコードウォーズ。ドラゴンボールのキャラクターのカードを使うやつでした)で遊んでいたのを思い出しました。
回し読みが終わると、それぞれのブースに集まった作品の発表です。もともとマンガナイトの読書会は20代後半~40代、つまり1990年代子どもとしてマンガを読んでいた世代の参加が多く、この時代に出版された作品は人気です。今回はもう少し踏み込み、「そのマンガのどこが’90年代っぽいのか」を考えてもらうことにしました。
「青年班」は’90年代初期から後期にかけてのファッションの変化に注目。例えば「『幽☆遊☆白書』第1巻に登場したキャラクター、桑原和真は明らかに’80年代のヤンキー文化を引きずっている」「『モンキーターン』の女子高生はルーズソックスをはいているが、まだやぼったい」「’94年ごろ出版された『赤ちゃんと僕』にはガングロギャルが登場する」などの意見が出ました。そういえば今の少女マンガでルーズソックスをはいているキャラクターは少ないですよね。昔はみな、はいていたのですが…… 「赤ちゃんと僕」のように会社にガングロ女性が出勤してくる様子もあまり今は見られません。

「少年班」が注目したのはマンガで使われているガジェットや通信方法の変化です。ゆうきまさみ氏の「じゃじゃ馬グルーミンUP!」で待ち合わせをする登場人物らが使うのは駅の伝言板。浦沢直樹氏の「MONSTER」でも主人公は会いたい相手をポケベルで呼び出し、記憶力に優れた登場人物の表現にはフロッピーディスクが象徴的に使われていました。
会場からは「今、フロッピーディスクといわれても、あまり記憶力がよくみえない」と辛辣な意見も。記憶媒体がなくなったら一体読者はこのたとえをどうとらえるのでしょうか。カセットテープやビデオテープもそうですが、デジタル機器を描くのは非常に難しい時代です。ちなみに筆者は伝言板が駅からなくなったとき「シティーハンターは活躍できなくなるのか」と愕然としました。
さらに少年マンガについて、絵が変化していることを説明してくれました。’90年代は顔の輪郭を描くのにすごくたくさんの線を使っていたのに対し、今はかなり洗練されて顔の線は厳選されています。代わりに増えたのは身体や衣服の線だそうです。


「少女班」はコミュニケーションの取り方の変化を恋愛マンガを取り上げて説明。現代のようにパソコンや携帯電話はあまり登場せず、特に少女マンガでは直接的なアプローチが多かったそうです。もちろん告白は、ラブレターを渡したり自分の口で告白したり。


なかなか興味深い指摘が続いたあと、最後は「カズノコGXコーナー」の担当者からお勧め作品の紹介です。少年マンガから少女マンガまで幅広い作品の中から、「喰う寝るふたり住むふたり」や「重版出来!」を紹介してくれました。「喰う寝るふたり住むふたり」はかなり書店で動いているそうです。読むと結婚したくなるらしいそうですが、実際みなさまどうでしょうか。


当日は生憎の雨にもかかわらず、たくさんの方にご参加いただきました。みなさまありがとうございます。次回はまた夏ごろ開催予定です。


1980~90年代、全国の少年少女を魅了したマンガ「ドラゴンボール」がいままた日本で人気を集めている。きっかけは原作者の鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインで参加した17年ぶりの新作映画「ドラゴンボールZ神と神」の上映。主人公の声優をつとめる野沢雅子氏が「キャラクターもストーリーも往年のファンを裏切らない」というように、20年以上前の作品がいまでも通用するのはなぜか。展覧会の原画や作品を見ていると、洗練された絵柄、時代や国境を超える世界設計が大きいのではないかと思う。そしてこのエッセンスは確実に、「NARUTO」など現代の少年バトルマンガにも継承されているのだ。
ドラゴンボールは鳥山明氏が1984年、週刊少年ジャンプで連載を始め、1995年に最終回を迎えた。ジャンプが600万部を超える販売部数を誇った時代を支えた作品のひとつだ。どんな望みもかなう伝説の宝物「ドラゴンボール」を探す冒険物語であり、主人公の孫悟空の成長譚でもある。連載開始当初はギャグテイストが強かったが、徐々に強い敵が増え、「少年バトルマンガ」となった。
新作映画の公開を記念した展覧会「鳥山明The World of DRAGON BALL」では、懐かしいコミック原画200点が用意され、東京会場には多くのファンが訪れた。(4月までに東京・大阪で開催されたほか、7月には名古屋でも開催予定)孫悟空の登場シーン、フリーザとの戦いのシーンなどどれも原画を見ているだけで物語を思い起こさせ、わくわくしてくる。
東京の会場で改めて原画や翻訳版をみると、鳥山氏の描いたドラゴンボールが世界中で受け入れられた理由が見えてくる。1つは国境を越える世界設定だ。ドラゴンボールは中国の小説「西遊記」に近い中華的な世界観をベースにしながらも、海の近く、砂漠、街中へと広がり、地球上のどこの国と特定させない描き方がされている。特に連載が始まった初期のころはその傾向が強い。孫悟空が住んでいるのは中華風の家。でも海の近くに行くと、木造の洋風の家に。広大な大地、個性的な造形のメカニックのあふれた都市。様々なカルチャーがミックスされた様子が背景画を見ているだけで実感できたのだ。だからこそ、世界中の読者が「違う国の話」ではなく「近くにあるかもしれない国の物語」として、入り込むことができたのではないだろうか。
もちろんキャラクターの魅力も大きい。登場人物の顔は基本的に、1本のシンプルな線で輪郭が描かれている。1本の線にいろいろな意味を込めて描くのは、複数の線を使うよりも難しく集中力がいることなのだそうだ。この線で鳥山氏がキャラクターを描いた結果、それまでのマンガ作品にはない垢抜けた造形を持つキャラクターが生まれた。「実録少年マガジン編集奮闘記」では「鳥山明らジャンプの新人たちがかくマンガは週刊少年マガジンが築き上げてきたものとまったくちがうとおもった」とかかれている。それは物語の作り方はもちろん絵柄の違いも大きかったのだろう。これは鳥山氏のデザイナーとしての能力も影響しているだろう。あるデザイナーの友人は、「構造からとらえて人物を描いている」と指摘する。鳥山氏は元グラフィックデザイナーであるため、キャラクターの感情や音を表現する擬音についてもグラフィック的な仕上がりを意識しているようにみえるそうだ。鳥山氏自身も「マンガ脳の鍛えかた」(集英社)内のインタビューで、「デッサンをたくさん描いたりした」と答えている。それまでのマンガ家はマンガや絵画を見ながら絵を描く力を鍛えていた。それに対し鳥山氏がグラフィックデザインの素養を持ってマンガの絵を描こうとしたことで、全く違う系統の「マンガ絵」が生まれたのだ。
その絵の力は読みやすさにもつながっている。鳥山氏は「神は細部に宿る」を実践し、自動車のタイヤの溝の一本一本や、神龍のうろこの一枚一枚、洋服のしわまでまで書き込んでいた。洋服や自動車や飛行機などの機械類などどれをとっても「実際にありそう」と思わせるほどディテールが細かいものだった。天下一武道会のシーンでは、きちんと観客まで描かれ、いかに試合が盛り上がっているかが表現されていた。だがそれでいて、コマの中の情報は多すぎない。ある種、あまり絵を描くことにこだわらず、過不足ない量で抑えていたからこそ、テンポよく読める作品として世界で受け入れられたのだろう。
このコマの配置も、テンポよく読める要素の一つだ。「マンガ脳の鍛え方」のインタビューでは「コマの構成を斜めにしたり大小、変化をつけたりします」と答えている。1ページのコマの数は4~5コマ、1話の終わりは次につながる印象的なコマを置いて終わる――少女マンガなどの一コマが「静」ならば、鳥山氏の一コマは「動」。全体的にコマの中もコマとコマの間もアップテンポな時間が流れているように感じられる。

マンガ評論家の南信長氏は「現代マンガの冒険者たち」の中で「ビジュアルの変革者」という系譜で、鳥山明を取り上げている。「手塚治虫のマンガ的表現にアメコミを加えたスタイリッシュな絵柄」とのこと。「冒険ファンタジー系の作品をかいている作家はすべて影響を受けている」としている。その証拠に、鳥山氏のキャラクターは登場から20年以上たった今、最新のマンガのキャラクターと並んでも遜色ない。映画の公開を記念して、同じ週刊少年ジャンプで連載中の「トリコ」や「ONEPIECE」のキャラクターと一緒に登場するアニメが放送されたが、はまったく違和感がなかった。「宇宙戦艦ヤマト」など過去の作品をリメイクするさい、キャラクターをデザインし直すのとは対称的だ。

垢ぬけたキャラクター造形、無垢で純粋な主人公、ペット的な脇役の配置、ギャグとシリアスなシーンのバランス。さらには鮮やかな色使い――ドラゴンボールを構成する要素を考えると、マンガ「ONEPIECE」や「NARUTO」がドラゴンボールの確立したフォーマットを継承していることがわかる。それほど鳥山氏の残したモノは大きかったのだ。
今年3月末に公開された「DRAGON BALL Z神と神」は公開から23日間で動員数200万人を突破。興行収入は後悔から15日間で20億円を超えるなど、4月時点で、2013年公開の映画としては最速だ。映画館には、原作を連載で楽しんでいた世代だけでなく、子供の姿も少なくなく、「♪CHAーLA HEAD-CHA-LA~」とテーマソングを歌っていた。昔の子どもをわくわくさせたドラゴンボールは、そのままの姿で今の子どももわくわくさせ続けている。

『ヨコハマ買い出し紀行』は人口減少、地球温暖化、文明の後退が進む近未来の関東周辺が舞台。
主人公であるロボット、アルファと周囲の人々の交流を独特のテンポで描く。
この作品はロボットなど多くの人工物が登場しつつも景観というよりは圧倒的に風景的な雰囲気が強い。
それは背景と登場人物の境界が曖昧で、切り離して取り出すことが出来ないものとしているからだ。
登場人物の一人が言う。「私たち音やにおいでできてるんですよ…たとえばなしとかじゃなくて…」。
主人公アルファはウトウトしながらさらりとそれに応える。「知ってるよー」。
自然と身体の境界は曖昧である——『ヨコハマ買い出し紀行』の主人公たちは、これを当然のこととして受け入れることで、豊穣な意味の中を漂うことが出来るのだ。
作中で主人公たちはそれぞれの今を生きている。がそれは同時に世界に生かされているということのようにも感じられる。
世界は自分に大きな影響を与えるかもしれないが、自分も(微力ながら)世界に影響を与えている。
時間の長短、規模の大小こそあれども、それはどちらも受け継がれる風景の一部なのだ。
地理学者オギュスタン・ベルクは東日本大震災を「風土のスケールに近い出来事であった」と述べている。
日本で古くから「景観10年、風景100年、風土1000年」と言い伝えられていることを踏まえての発言だ。
震災のもたらした影響はおそらく『ヨコハマ買い出し紀行』で主人公らが経験した文明の後退より大きなスケールなのだろう。
だが現実の私たちは、「震災前は良かった」という感傷から脱却し、早急に景観をそして風景をつくりあげていかなければいけない。
例えば建築家の伊東豊雄。彼はただ闇雲に震災前の建物や港を再度造るのではなく、風景や風土の視線を取り込んだ「みんなの家」プロジェクトを乾久美子、平田晃久らとともに岩手県陸前高田市で実現させた。
「みんなの家」は、昨年のベネチアビエンナーレ建築展日本館で展示され、多くの来場者の共感を得た。風景を取り戻すという動きがけして小さなものではないことの証左だろう。
日常生活を送る中で、私たちが意識的に風景について考えることはほぼ無い。
震災で意識させられた、風景と私たちの生活との一体性も、忘れられてしまうかもしれない。
だが『ヨコハマ買い出し紀行』に触れることで、読者は自分も世界に組み込まれており、風景の一部であると再認識できるのだ。
『ヨコハマ買い出し紀行』は直接震災を扱った作品ではないが、震災後の行先を考えるうえで重要な要素が埋め込まれられていた。
良くも悪くも時代を先読みする——空想から生み出されるマンガにはときにそんなことがありうるのだ。
関連書籍
『風景という知』(オギュスタン・ベルク)世界思想社
『ここに、建築は、可能か』(伊東豊雄)TOTO出版

地上から地下5階へ。この歴史的移転をひと目見ようと、地上での営業最終日は東横線渋谷駅が人でごった返し、駅長による挨拶に涙した人も多かった。普段何の気なしに駅を利用していても、この変化に寂しさを覚えた人が大勢いたのだ。
渋谷駅移転について、一連の人々の反応やニュースを見ていると、東京に住んでいる人は無意識に電車や駅、それらを包括する路線に帰属意識を抱き、帰属している路線を愛しているように思う。東京そのものに帰属意識を持っているわけではなく、「地域」よりもさらに細分化された「路線」が対象だ。
たとえば、初めて会う人と「どこに住んでいるか」という会話で盛り上がるのは、地方では間違いなく「市」区切りである。同じ市であれば親近感がわき、そこから出身中学や高校の話題にうつるのに対し、東京で盛り上がるのは「どの路線に住んでいるか」である。居住地区が近くても異なる路線沿いに住んでいるより、地図上では離れていたとしても同じ路線の方が、話が盛り上がる場合が多いのだ。
この帰属意識を人物の心の揺れ動きや成長へと結びつけ、物語へ発展させたマンガがある。『鉄道少女漫画』(中村明日美子/白泉社)は、鉄道ファンに向けた純粋な“鉄道マニアマンガ”ではなく、「鉄道を舞台とした登場人物の日常」に目を向けた鉄道漫画だ。
鉄道が好きな主人公を描いた『名物!たびてつ友の会』(山口よしのぶ/白泉社)『鉄子の旅』(菊池直恵/小学館)など、従来からある「鉄道」そのものへの愛を強調したものとは、毛色がまるで異なる。また、鉄道漫画は、鉄道好きな男性が多い男性誌で出されるのがセオリーだが、少女漫画誌で掲載されているのも特徴といえる。
話を戻して、東京に住む人々の帰属意識について考えたい。なぜ東京に住む人々は、地域ではなく路線に帰属意識をもつのだろうか。
多くの人が移動に電車を利用するため、地域や道路よりも電車の方が生活になじんでいるという点はもちろん、それ以外にも理由は二つある。
一つは電車の特徴である「共有する空間」にある。車で移動する場合、同乗者がいなければ一人の空間で目的地へたどり着くため、だれかと空間を共有することがない。一方、電車は出発地から目的地まで誰かと共有しながら進んでいく。そのため、地方では誰かと共有する空間=「地域(市や町など)」となるのに対し、東京は路線に集約されるのだ。
次に、東京では地域単位ではなく、路線ごとに個性があるからだ。東京にはさまざまな路線があり、蜘蛛の巣状にレールが敷かれ、あらゆる方向へと電車が走っている。停車駅も乗客の“色”もバラバラであり、たとえ同じ駅を停車駅にもつ路線だとしても一方は高級住宅街を走り、一方は郊外に抜ける路線であったりと非常に多種多様のため、一つひとつの路線に個性が生まれている。帰属意識が地域に生まれるのではなく、路線に生まれるのはこのためだ。
東急東横線渋谷駅の件だけでなく、小田急線東北沢駅〜世田谷代田駅が同じく3月に地上から地下3階へ移転する際も、駅舎の最終営業日に人々がつめかけ、ニュースで大きく取り上げられた。気づかれることのなかった帰属意識が、駅舎移転というイベントよってあらわになったといえる。この一連の出来事によって、読者の心をつかむ「鉄道漫画」の存在はより色濃くなっていくのではないだろうか。
『鉄道少女漫画』は都心の新宿から観光地として名高い箱根湯本、またデートスポットとして知られる片瀬江ノ島まで通っている「小田急線」を舞台にした短編集の漫画である。
物語は実在する小田急線の駅を舞台に進行していく。地下/地上なのか、急行は停車するのか… こうしたリアルのエッセンスがマンガの中にちりばめられている。髪の毛一本一本まで美しい繊細な描写と、その細やかさの中に描かれる軽やかな空気感は、小田急線沿いに住み日々を送る登場人物たちに、そこに住んでいなくともノスタルジックな感慨と、そして同族意識に似た愛おしさすら喚起させる。これこそが『鉄道少女漫画』が他の鉄道漫画と一線を画す部分だ。
東急東横線渋谷駅は、駅舎移転によって東京メトロ副都心線と接続し秩父や川越まで1本で行けるようになった。ここでどんな帰属意識の変化が起きるのだろうか。それはこれから楽しみな部分であり、これを題材にした鉄道漫画もいつか出てくるのでは、という期待に胸がふくらむ。
東京の路線は少しずつ変化していく。そのたびに私たちの帰属意識のありかも変化していく。今日、自分と同じ電車を利用している同乗者の日常ドラマに、思いをはせてみるのもいいかもしれない。
(kukurer)
関連書籍
新刊『君曜日—鉄道少女漫画2—』(白泉社/1月発刊)
『鉄道少女漫画』に収録されている「木曜日のサバラン」のスピンアウト作品。

「マンガナイトの本棚」を設置している本屋B&Bで、5月28日(火)19:30~21:30に開催されるトークイベント、〈『そらあすかのまんが日本史BLばなし』から学ぶ「BL&歴女入門」〉に、代表 山内康裕が登壇します。企画と当日進行を担当しています。

「マンガナイトの本棚」を設置している立川市子ども未来センターまんがぱーくで6月2日(日)、7月7日(日)、7月21日(日)に、まんがぱーく市が催されます。施設内のマンガナイトの本棚とともにお楽しみください。

【告知】5月22日(水)19:30~21:00 開催の第3回マンガ・イノベーションcafeトークイベント「事例から見る新たなマンガビジネスの可能性」に、代表 山内康裕がボードメンバーとして出演します。
ゲストに漫画家の鈴木みそ先生、京都国際マンガ・アニメフェアのプロデューサー和田昌之氏をお招きし、ネットでマンガを販売していくにあたり、どのようにコミュニティを形成していくのか。また、地域とコラボレーションした漫画やアニメイベントなどのリアルコミュニティは今後どうなっていくのか等、ディスカッションをします。お申し込みはリンク先からお願いします。

【告知】5月24日(金)、25日(土)「太陽と星空のサーカス」ワンダーバザールに、ブックピックオーケストラと共同出店します。マンガナイトは、セリフで相手に「気持ち」と「おすすめマンガ」を贈る新作プロダクト「Comic Leaf」を、マンガ付きで販売します。マンガは、あなたが贈りたい相手にピッタリのものをセレクトします。

2013年5月27日(月)〜6月2日(日)開催のマンガナイトの企画展「mangaな展」、最終日の6月2日(日)に、参加者同士でマンガを贈り合うワークショップを行います。
参加のお申し込みは下記のフォームからお願いします。
まずは、マンガナイト厳選のグルメマンガからお好きな1冊を、ある仕掛けによって直感的に選んでいただきます。そしてその作品から、印象深いセリフを抜き出します。
ここで登場するのは、セリフで相手に「気持ち」と「おすすめマンガ」を贈るマンガナイトの新作プロダクト「Comic Leaf」。
セリフやその作品を、Comic Leafを用いて、心動かされたエピソードやグルメマンガならではのメニューとともに参加者同士で共有。
最後には、共有した中から気になった作品を1冊、お持ち帰りいただきます。
マンガナイトが新たに提案する「マンガの贈り方」「マンガとの出会い方」を体験してみませんか?

2013年5月27日(月)〜6月2日(日)、マンガナイトの企画展「mangaな展」を水道ギャラリー(酢飯屋)にて開催します。

会場ではマンガ表現からインスパイアされたさまざまなプロダクトを展示しています。また、マンガナイトのお勧めグルメマンガの紹介もしています。
6月1日(土)夜には、併設の酢飯屋にて食のイベント「寿司漫画ナイト」も開催しています。
6月2日(日)午後は、参加者同士でマンガを贈り合うワークショップを行います。

あの寿司漫画に登場するようなお寿司を、グルメ漫画とともに楽しんでいただく「寿司・酢飯屋」との食のコラボレーションイベント(マンガナイトが企画サポート)です。
お持ち寄り頂いたグルメマンガをみなさんで共有したあとに、マンガでしか見れないような、あっと驚くお寿司まで食べれてしまうという内容です。
使う食材や道具は可能な限り現地に足を運び、五感で確かめると言うことにこだわりのもと、月に一度は日本各地に旅に出ている寿司職人 岡田大介さんが、弟さんと一緒に完全紹介制、完全予約制の店として元お豆腐屋さんの古い一軒家を改装し営業されているお店です。

これまで数多くの日本のマンガ家に影響を与えてきた海外のマンガ作品だが、最近はマンガ以外のエンターテインメントにも影響を広げている。新しい文化の流入で日本のマンガにも進化が期待できそうだ。
その端緒がフランス語圏のマンガ「バンド・デシネ(BD)」にインスピレーションを受けたゲームソフト『GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動』だ。
『GRAVITY DAZE』は2012年9月に発売したソニー・コンピュータエンターテインメントのプレイステーションVita用ソフト。架空の都市を舞台に、主人公のキトゥンが重力を操り、嵐に奪われる街を取り戻そうとするアクションゲームだ。Vitaのジャイロセンサー機能を使い、重力を操作しているかのようにキャラクターを動かすことができるのが特徴で、2013年メディア芸術祭のエンターテインメント部門で優秀賞を受賞した。メディア芸術祭のホームページでは受賞理由を「重力を操るという新しい快楽のあり方を発明した」としている。
一見普通のグラフィックが美しいアクションゲームに見えるが、開発者の外山圭一郎はメディア芸術祭内で開催された講演会で、その開発のきっかけになったのはフランスのバンド・デシネ作家、メビウスの作品を見たことだと説明。「メビウス氏の鮮やかな空間にインスパイアされた」といい、欧州的な風景の中にキャラクターが浮いている絵を思いついたという。
さらにアクションシーン以外のストーリー展開はバンド・デシネのようなコマ割りで進む。しかもゲーム本体を傾けると2次元だったコマが2.5次元になるという工夫までされているのだ。
バンド・デシネはフランス語圏で出版されるマンガの総称だ。子ども向け冒険物語からSFまで幅広いテーマを扱っている。日本のマンガに比べて絵の表現に重きを置いた作品が多い。週刊誌や月刊誌に掲載された連載作品がコミックスになる日本に対し、最初から単行本の形で発売されるものがほとんどだ。
バンド・デシネはこれまで何度か日本に紹介されており、『AKIRA』作者、大友克洋らの表現にも影響を与えたことで知られている。大友は「ユリイカ」3月臨時増刊号「世界マンガ体系」のなかのインタビューで「バンド・デシネの作家の描くSFの世界にあこがれた」と話している。このフレンチコミックが、日本のマンガだけでなく、家庭用ゲームの表現にまで影響を与えていたのは驚きだ。
これまでマンガとゲームが必ずしも断絶していたわけではない。むしろ愛好家の層が一部重なり合うなど関係は深い。だがその関係は、「ゲームをマンガ化する」「マンガのキャラクターをゲームに使う」「ゲームを楽しむ人をマンガにする」など。あくまでゲームとマンガというそれぞれの分野を、相手の分野で拡張するだけにすぎなかった。
もちろん拡張により登場したすばらしい作品も多い。ゲームのマンガ化では『ポケットモンスター』があげられる。元は任天堂が発売した『ポケットモンスター』というゲームだったが、子供向け幼年誌でマンガになり、アニメ化されることで世界的なキャラクターに成長した。ゲームを楽しむ人を題材にした作品では、すがやみつるの『ゲームセンターあらし』(小学館)や押切連介『ハイスコアガール』などだ。後者は1990年代のゲームセンターや家庭用ゲームのヒット作を紹介しつつ、ゲームを楽しむ男の子の青春と恋愛をうまく描いている。
これらと『GRAVITY DAZE』が違うのは、一見してこれがバンド・デシネというフレンチコミックの影響をうけたものだとはわからないことだ。開発者らの話を聞けば、その根底にバンド・デシネの表現方法やアニメーション作成の手法が活用されたことがわかる。だがそれらの世界観や手法が開発者らのなかでいったん咀嚼されたうえでオリジナル作品としてユーザーには提示されているのだ。外山は「バンド・デシネのままでは難解すぎた」といい、日本のキャラクター文化を組み合わせた。
「4Gamer .net」より
この過程は、これまでの日本マンガの進化と重なる。これまで日本マンガは古今東西の小説や映画、舞台芸術から様々な物語や表現方法を取り込み進化させてきた。手塚治虫氏の初期の作品では、当時の洋画に影響を受けたものが多い。週刊少年ジャンプで連載中の『ONE PIECE』の作者、尾田栄一郎も映画監督の黒澤明の作品の世界観に影響を受けているといわれている。もちろん、古今東西の作品を深く咀嚼し、自分のものとして新たな表現としている。
そのようにして歴史を積み上げてきたマンガが、逆に他のエンターテイメントである家庭用ゲームに同様の影響を与えることになったのは、マンガという文化が世界中で深化した証左といえるのではないだろうか。
日本のゲームに影響を与えたのが日本産のマンガでなかったことは悔しいが、マンガという表現方法がゲームに対してまだ貢献の方法があるということなのだろう。今後もそうあってほしいし、マンガという表現方法や業界も、海外進出を視野に入れた開発を進めるゲーム業界から多くのことを吸収できるのではないだろうか。
関連サイト
『GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動』(ソニー・コンピュータエンタテインメント/プラットフォーム)

筒井哲也の『予告犯』では、インターネットを使った劇場型犯罪が描かれている。
新聞で作った覆面をかぶり「明日の予告を教えてやる」と画面の向こうの無数のユーザーに犯行予告をする「シンブンシ」。
その予告の内容は、明らかな法律違反ではないもののモラルに反することをしていた者に対する「制裁」予告。予告通りの事件が起きると、シンブンシは社会悪をこらしめる覆面のダークヒーローとして、全国の注目をさらうようになる。
それに対し警視庁のサイバー対策課・吉野絵里香は、明晰な頭脳と分析力、隙をゆるさない冷徹さで犯人たちを少しずつ暴いていく、というのがこの作品の物語。
犯人たちの過去、犯行の手口や動機、追いつめる警察側の推理などが細かく描かれ、読者は犯人・警察どちらの角度からも読み進めることができる。
今度は、現実世界でのネット犯罪をみてみよう。
最近起こったネット犯罪は「遠隔操作ウイルス事件」。これも犯人からのメールが大きく取り上げられた劇場型犯罪だったが、その動機は未だに不明瞭で、かつ警察が誤認逮捕する事案が起きるなど、さっぱり解決とは言い難い。
大きなニュースにはなっていなかったが、3月に欧州ではネット崩壊の危機といわれるほどのサイバー攻撃が発生していた。史上最大規模のDDoS攻撃は、ネットの根幹を揺るがすものとして衝撃を与えた。
また、2010年以降のネット犯罪は人間の感情を組み込んだものに変化を遂げた。
昔ながらのネットの脅威といえば、パソコン内のデータを破壊したり、書き換えてしまうものなど、愉快犯的なものが多かった。
現在では、明確に金銭の詐取を狙ったものが多く、手口も巧妙化している。
さらに、SNSの台頭によって知人・友人関係の「信頼」を利用した脅威が顕著だ。
Facebookでは友達の書き込みだと思ってクリックした途端、勝手に自分のウォールにも書き込みが行われ、意図せずウイルスを拡散する加害者となってしまう事例も発生している。
しかし、これほど高度化したにも関わらず、見たり聞いたり触ったりできるものではないのもあり、それが脅威であるという実感を得にくい。
生々しい自動車事故の現場なら、万が一自分の身に起こったら…と想像を掻立てるものがあるが、ネット犯罪はニュースで騒がれていても、自分の身にふりかかった時のことは想像しにくい。
欧州で発生した“ネット崩壊の危機”も、本来ならより衝撃的な出来事だったはずだ。
興味深いことに、日本のセキュリティソフト導入率は世界トップクラスで低い。これは自分が被害に遭った時の姿が想像しにくいからではないだろうか。
そして、ネットで起きていることはやはり「フィクションっぽい」のではないだろうか。
話を『予告犯』に戻すと、登場人物の過去や説得力のある犯行動機、手口などを細かく描くことが可能なのはマンガであり、架空だからこそ、である。
だが、現実のネットでおきる犯罪のほうが、明らかにならないまま忘れられたり、被害に遭っていることすら実感できなかったりと、遠い世界のものになってしまっている。
現代ならではの、現実とマンガの逆転現象が起きているのだ。
関連サイト
「ジャンプ改web」

2013年5月11日(土)に主催イベント「マンガナイト読書会―思い出の’90年代編」を開催します。 今回のイベントは、マンガナイトではお馴染の小グループでのマンガの回し読みと、読んだマンガの感想の共有となります。

参加のお申し込みは下記のフォームからお願いします。
今回のお題は「’90年代のお薦めマンガ」。大人な雰囲気の会場にあわせて、少し昔のマンガに遡ります。
’90年代のマンガで「これは語りたい!」「これは思い出の1冊です」という作品をお持ちください。持ち寄ったマンガのエピソードなどを語りあえればと思います。
会場にはメンバーお薦めマンガコーナーも用意。新しいマンガに出会えることは請け合いです。
※ 過去のイベントの様子はこちらから
会場は飯田橋の縁結びの神様 東京大神宮の近く、「CONGRATS CAFE」。みなさまと“マンガの縁”で繋がれたらと思います。
最近マンガを読んでいない方から、ヘビーリーダーの方まで、マンガを介して気軽にコミュニケーションが生まれ、新しいマンガに出会えるイベントです。みなさまのご参加をお待ちしております。
【マンガナイト読書会―思い出の’90年代編】

2013年4月23日(火)19:30〜21:00、マンガのイノベーションを目指す交流サロンのトークイベント「マンガと場」に、代表 山内康裕がボードメンバーとして出演します。
毎回、話題のニュースや人物、新たな技術やビジネスをテーマにトークセッションを行います。
※ 以下、掲載元より引用
「マンガと場」をテーマに、イベンターや建築家をトークゲストにお招きして、”マンガ”の可能性について、リアル空間・ネット空間といった「場」を切り口に、その未来を議論します。
イベントや常設施設、リアルコミュニティとネットコミュニティ、日常と非日常、都心と地方、ネットやソーシャルメディアの発達や浸透によって、もはやこれらは分断して考えるものではなく、複合的に考えるべきものとなりました。
そのような時代における新しい場、空間、設備、コンテンツとは?
各方面で先端的・独自的な活動を行っているトークゲストと立体的に語り合います。
前半 ゲストスピーカーによるプレゼンテーション
中盤 トークセッション1
後半 トークセッション2
嶋田洋平 氏(株式会社らいおん建築事務所 代表取締役)
武田俊 氏(合同会社カイユウ 代表)
山内康裕 氏(マンガナイト/レインボーバード合同会社 代表社員)
芹田治 氏(エコーズ株式会社 代表取締役社長)
水野祐 氏(弁護士 シティライツ法律事務所 代表)

ただいま西荻紙店で開催中の「西荻春のマンガ祭り」、急きょ4月21日(日)までの開催期間延長になりました! 悪天候で行きそびれていた方はぜひこのチャンスにお越しください。

WEBマガジンgreenz.jpのコラボレーション連載「マンガ×ソーシャルデザイン」の第三回目、「マンガを使った新しいマネタイズとは? 内沼晋太郎さんと語る、マンガの未来(後編)」が掲載されました。

舞台は人間に代わって機械たちが殺し合った「代理戦争」終結後の空想近未来。かつて世界有数の工業都市であったチェスターバレーでは、代理戦争時の負の遺産である自律思考型戦争兵器”ギガンテス”がいまだ稼働し続け、人の侵入を拒み続けている。しかし人間はそこに残る大量の金属資源を捨て置くことができず、極地使用型工業アンドロイドを作り回収にあたらせていた。
財閥の令嬢レイチェルは、幼いながら金属を回収し終えると溶鉱炉で回収した金属とともに還元されてしまう工業アンドロイドを不憫に思い、これらを助けようと試みる。彼女が単身チェスターバレーに飛行機で立ち入るところから物語は始まる。主人公レイチェルの行動力は幼い頃から抜群。周囲を巻き込みひっかき回すが、周囲の心配などどこ吹く風。父親は娘が屋敷からいなくなるたび何度も肝を冷やしている。
世界設定もユニークだ。ロボットを作る技術力を持ちながら、プラスチックのような合成樹脂は発明されていない。木や石やガラス、金属など年月を経ても汚くならない素材で構成される世界。産業革命時代のような雰囲気で、近未来にもかかわらずどこか懐かしさすら感じさせる。「レトロフューチャーSF」との謳い文句も納得だ。
レイチェルのチェスターバレーでの冒険に付き合わされるのは、アンドロイドのコンビ、マックスとアレックスだ。「あぶない刑事」のタカとユウジコンビのような不良アンドロイドコンビ。レイチェルとの掛け合いは、兄2人妹1人の兄妹のようでもあるが、たまに主人と従者の関係が混じる。また、お嬢様の行動というものは“風の谷のナウシカ嬢”よろしく、強い魅力を持ち得る。
マックスとアレックスはチェスターバレーで、もともともプログラミングにしたがって金属回収(口から食べて体内に貯蔵する)をしていたが、レイチェルによってその行動を禁止されてしまう。しかし、この不良アンドロイドコンビはレイチェルの命令に逆らい、隙あらば金属を回収し(食べ)ようとする。ロボットは人間の命令に逆らえないので2人のAI(人工知能)は混乱してしまうのだが、この葛藤の機微が上手く描かれている。ロボット系のSF作品は、人間やロボットの本質やその差異としての「魂」や「ココロ」をあぶり出すものなのだ。
ところで、ロボット工学三原則をご存知だろうか? ロボット工学三原則とは、アイザック・アシモフのSF小説において、ロボットが従うべきとして示された原則で、人間への安全性・命令への服従・自己防衛を目的とする3つの原則から成る。
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
高度に設計・製造されたロボットは人間以上に人間らしい容姿で、人間らしい行動をとる。感情やココロの模倣もまた然り。言い換えるなら「ロボット工学三原則」と矛盾する場面に遭遇することがあるのだ。第1話では、アンドロイドは「人間を犠牲にするか、アンドロイド自身を犠牲にするか」という問題に突き当たることになる。アンドロイドのAIは原則に従い後者を選択するが、幼いレイチェルは納得できずその選択を却下する。それでも、アンドロイドは自らの意思で自分たちを犠牲にするほうを選択する。だが、もしレイチェルが命の危険に晒され、犯人を殺さなければ助けられない状況に陥ったとき、この心優しきアンドロイドたちはどのような行動をとるのだろうか?
そのほかにも、ロボット工学三原則に反するロボット=ギガンテスは、一体誰が何のために作り出したのかなど、いくつかの謎や疑問がこれからの物語の展開を多層化していくうえでのキーとなるはずだ。さらには、ロボット「ココロ」の在り方をいかに描ききれるか、それがこの作品の評価を高めていくうえでの分水嶺となるだろう。

3月31日(日)午後、西荻紙店主催の【西荻春のマンガ祭り】(3月27日〜4月7日)において、新作プロダクトを使った「名セリフワークショップ」をマンガナイト企画で開催します。ぜひお越しください。
あなたの心のスイッチを押したマンガの名セリフ。それをオリジナルプロダクトを使ってシェアするワークショップです。
※ 参加者同士でマンガの贈り合いをします。お持ちいただくマンガはプレゼント用となります。
※ 持参いただくマンガに書かれている好きなセリフを選んできてください。
※ 参加申込みは下の詳細ページから

3月27日(水)〜4月7日(日)西荻紙店主催の、マンガから展開したプロダクトが展示販売される【西荻春のマンガ祭り】にマンガナイトも出品します。オリジナルの新作プロダクトがお目見えです!

スマートフォンの普及、相次ぐタブレット(多機能携帯端末)の発売—マンガを楽しむ媒体も、主流の紙にデジタル機器が加わりつつある。デジタル機器で読めるマンガは今、紙のマンガの電子化が多いが、デジタル機器ならではの作品も登場しつつある。メディアにあわせて進化してきたマンガが、一段の成長をすると期待したい。
『西遊少女』(萱島雄太著)は2012年8月、ウェブ本棚サービス「ブクログ」が運営する個人出版サイト「バブー」で発表された。ベースは中国の大衆小説「西遊記」と見られ、「少女」の三蔵法師、悟空らが天竺を目指す珍道中を描いている。
私はこの作品を、東京・下北沢の書店「B&B」で開催されたトークショーで知った。トークショーの中では「寒色と暖色をきれいにくみあわせ、コマ割りが自然にわかる色使い」「スクロールすることで、悟空の武器の如意棒が伸びる様子がすごくよくわかる」と評価されていた。
実際登録して読んでみると、スクロールで画面が流れていく雰囲気が新鮮だ。キャラクター作り、話の展開という基本を抑えつつ、「スクロール」といういわば新しいページの動かし方に合わせて、絵柄を動かしている。例えば、空の高さ。大きさが限られる紙の雑誌では、どんなに高く突き抜けたようにかいても限界があるが、ウェブ上では、いくらでも縦にコマをのばすことができるため、空はどこまでも高くきれいに表現されている。また空の色も、白から水色へと微妙に変化させている。またオールカラーだが、前述のように、桃色や赤色など暖色系の絵柄の次は、茶色や青色など寒色系の絵柄のコマを持ってくるなど工夫している。どれも淡い色使いなので、画面がうるさくない。
実はスクロール形式で読むマンガには先行例がある。韓国のマンガ市場だ。インターネットが普及し、紙のマンガが減った韓国では、「ウェブトゥーン」というスクロールで読ませるウェブマンガ市場が広がった。新作マンガの発表がウェブマンガ中心になるなかで、よりネットで読みやすい形態が追求された結果ではないだろうか。
NHNJapan執行役員広告事業グループ長の田端信太郎氏はその著書『メディアメイカーズ』のなかで、「メディアが変われば、メディア上の流布するメッセージ内容やコンテンツも変わらざるを得ない」と指摘。その例として、音楽がレコードからCDへとメディアを変えたときのメロディの変化を説明している。
かつて、「iモード」など従来の携帯電話向けマンガ「ケータイコミック」が隆盛だったころには、携帯電話の画面にコマの大きさをあわせた『マスタード・チョコレート』などが読者の心をつかんだ。携帯電話のという小さな画面の制約のなかで、紙の雑誌の少女マンガなどのようにコマ割りで登場人物らの心情が表せない。だからこそ、登場人物らの顔はコマの多くの面積を占め、目や口の動きと言った細か動きで心のうちを表していたのだと思う。それを紙のコミックスにしたときも踏襲していた。コマを自由自在な大きさで描く紙の雑誌のマンガに比べるとシンプルなコマ割りにみえるが、コマ割りがシンプルで余計な動きがないからこそ、かえって登場人物らの細かい表情や動きが、セリフに集中でき、感情移入できるのだ。
思えば紙の体のなかでも新聞紙面上の1コママンガの時代から、新聞の4コママンガ、マンガ雑誌とメディアにあわせて細かくコンテンツを変えてきた。発行ペースや読まれる場面などに合わせて、それぞれの媒体の読み手がおもしろいと思う作品を作り出してきた。メディアのデジタル化が進む中、既存のマンガの電子化も魅力的だが、せっかくだから新しいメディアにあうコンテンツが生まれてきてほしいものだ。
関連サイト
『西遊少女』(萱島雄太/パブー)無料サンプル号
ウェブトゥーン(NAVERより)
『マスタード・チョコレート』(広報資料より)

立川市子ども未来センター内「立川まんがぱーく」にオープンに合わせてマンガトークショーが催され、代表 山内康裕が企画を担当し、モデレーターとして出演もします。

『ビブリア古書堂の事件手帖』は鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」を舞台に、女店主の篠川栞子と、本が読めない体質をもつ五浦大輔が、古書とそれに関わる人に起きる謎を解くヒューマンミステリ。江ノ電や美しい海を連想させる鎌倉という場所のチョイス、古書、そして美しい女店主という要素もまた物語を盛り上げてくれる。
同作品は1月からフジテレビ系の月9枠でドラマ化。ライトノベルはこれまでも映画化やドラマ化などの実写化はあったが、都会的・現代的・若者向けなこのトレンディドラマ枠の原作にラノベ文芸が選ばれたのは、ライトノベルの存在が作品数も売れ行きも大きな存在となっていることが伺えるだろう。
この『ビブリア古書堂の事件手帖』ドラマ化には、清楚・黒髪ロング・巨乳のヒロインの栞子とは真逆のイメージである剛力彩芽がキャスティングされたことでも、悪い意味で話題になった。原作が人気であっただけに、反発が大きかった。
このキャスティングは「テレビ業界側が売り出したい役者」であり、決して役柄に沿ったものではない。
原作のカバーに描かれている栞子は、決してこちらを向かない。深窓の令嬢を思わせる横顔と、溌剌としたイメージの剛力彩芽では役と本人の間にギャップが大きすぎたようだ。
実際にドラマ版はどうなのだろうか。初回視聴率は14.3%、7話までの視聴率は平均12.0%で、数字としては悪くない。
さらには、『それから』(夏目漱石)、『晩年』(太宰治)、『せどり男爵数奇譚』(梶山季之)といった、作中で登場した作品がドラマ放送後より売れたという事実がある。なかには、絶版作品の復刊が決まったものもある。
ドラマ視聴者が原作に着目したわけではなく、作中に登場した作品に注目が集まっているといえるだろう。
原作が好きな読者にとって、好きな作品が思わぬ改変や、イメージと異なる俳優によって広がるのは複雑なところと感じてしまいがちだ。
しかし、本の“新たな読者の獲得”をおおいに達成したことは「ブックガイド・ドラマ」として、出版業界にとって朗報には違いない。
文庫版だと作中に登場した本の売上げ増は、記憶の限り無かった。では、なぜドラマ版だと可能だったのだろうか?
それは映像で「本を見る」こと、これによる身体性だ。
文庫版の物語の中で、作品タイトルやあらすじを文字として追っていると、あくまで作中の文字列の一つとして認識される。
だが、映像として実際にモノとしての本が登場すれば、視聴者は「商品」として認識し、「あの商品が買いたい」と考えたのではないだろうか。
手にとって、ページを開いて…… つまり「実際に自分の手で触れ、読みたい」、そう思わせることができたのが映像の力だったということだ。
「ブックガイド・コミック」も、同じ仕掛けが可能なのかもしれない。
マンガは文字列だけでなく、ビジュアルで表現することができる。
あらすじや魅力を紹介する「ブックガイド・コミック」は多いが、それだけではない本を手にした時の質感、におい、ぱらりとページをめくる音、手にした時の重み——モノとしての魅力。
CMで美味しそうにチョコレートを食べている俳優を見て、とろけるような舌触りとしみ込むような甘さを連想するように、本を「味わいたい」という気持ちを喚起する。
電子コミックがより流通するようになれば、作中でモノとしての本をアピールすることで電子版も売れる、という現象も考えられる。
マンガもノベルもドラマも、ガイドするだけではなく「次の行動」に結びつけることで、作品としてまた別の意味がもてるようになるのだ。
関連サイト
『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ
マニアックでも売れる! “ビブリア古書堂効果”がすごい!(ダ・ヴィンチ電子ナビ)

3月30日(土)18:00~20:30にトークイベント「マンガ書店員バトル ~ コミック担当者から見た書店の未来~」を開催します。
今回は、会場でもある秋葉原UDXオープンカレッジさんとの共催となります。
年末に開催したランキング予想バトルの結果発表から2012ランキングを読み解きます。
後半は、書店や書店員の未来についてトークセッションをします。
出演:三木雄太(往来堂書店)、石田真吾(あおい書店横浜店)、太田和成(あゆみBOOKS五反田店)、芹田治(エコーズ㈱代表取締役社長)、山内康裕(マンガナイト代表)
前回のUSTREAMとレポートをご覧になったうえでご参加いただくと、より楽しめます!

去る1月25日(金)、ワークショップ型イベント「フキダシシェアリング」を開催しました。
このイベントはマンガナイト、Future Work Studio “Sew”(ソウ)、book pick orchestraによる初の共催企画となりました(※)
当日はスタッフ含め約20名が参加。参加者は30代が中心で男女半々といったところでしょうか。
参加者はワークショップで使いたいマンガを数冊持参。
Sewには備え付けの素晴らしい本棚があり、仕事や空間デザインにかかわる本や、厳選されたマンガが陳列されています。これらは全てSewを運営している岡村製作所の社員なら自由に借りられるとのこと。こんな本棚がある会社、素敵な会社に決まってる…!
この棚にマンガナイト代表山内が厳選したマンガが加わり、イベント当日だけのスペシャルマンガ棚が出現。ワークショップではこの棚のマンガも自由に使えるようになっていました。
さて、ワークショップ本編についてのレポートです。
当日は一度、「練習」をしてから本番を行いました。「練習」のお題は「新規事業」です。
まず、3人ひと組に分かれ、テーブルごとに着席します。各チームは、「新規事業」を立ち上げ、企画、運営するチームです。チーム内で自己紹介がてら、やってみたい事業や、自分であればどんな力でその事業に貢献できるかを話し合い、そのチームでやる「新規事業」を決めます。
そして、事業を成功させるのにベストなメンバーを実際のメンバー(リアル)3名+マンガの中のキャラクター(バーチャル)2~3名で構成し、発表します。マンガキャラを発表する時はそのキャラクターの性格や事業への貢献力を表現できそうなセリフとともに発表します。
ポイントは5人のメンバーの役割を明確にし、事業が成功しそうだ、と説得力を持たせ、聞いている人を納得させることです。 …「練習」なのになかなか難しそうですよね。
たとえばこのチーム。
新規事業はアパレルの実店舗運営。前提としてWEB上のECモールは既に軌道に乗っており儲けがジャンジャン出ているとのこと。社長命令で実店舗まで拡大、潤沢な資金を使ってイケイケで事業を興します。
メンバー(リアル)は全員、実際にIT業界に身を置いていて、企画や骨組をつくる仕事をされているということで企画はリアルメンバーが行い、商品づくりをマンガの中のキャラクターに担わせることにしました。
サイバイマンとは、種を巻くと土から生えてくる、お手軽に増やせる労働者。ここでサイバイマンが出てくるとは…! という意外性と資本主義への皮肉とも受け止められるキャラクターチョイスに会場がどよめきました。
他にも、実際それやったらいいんじゃないの? と言ったような新規事業の発表や、参加メンバーのパーソナリティが浮き彫りになるような発表など、「練習」の時点でかなりハイレベル! これは本番も期待できそうです。
いよいよ、本番。お題は「どんな人も癒されてしまうカウンセリングルーム」です。
チームをシャッフルし、今度はカウンセリングルームのメンバーをすべてマンガの中のキャラクターで構成することに。
こんなキャラクターに癒されたい、こんな風に癒されたい、でも「癒し」にもいろいろあって… などなど、参加者のイマジネーションが膨らみます。
マンガ棚にマンガを探しに行く人や、自分で持参したマンガから癒しのセリフを探す人… 決まったキャラクター、セリフを発表用の黒板に描き込んでいきます。
いよいよ、発表の時間です。ここでは2チーム、紹介します。
まずはカウンセラーのキャラクターを明確にわけ、バランス良くそろえたチーム。
カウンセラーそれぞれの役割とキャラクターは以下のとおり。
聞き上手~叱り上手までは「なるほど!」と思うドンピシャのキャラクターで、会場の参加者もも深く頷いていました。
珈琲時間のカントクは、意外と「気づかせ上手」かもしれませんね。とてもユニークなキャラクターです。無論、パンダに勝てる癒しはないですよね。文句なし!
続いて、カウンセリングを受けにきた人へ癒しのフルコースといった趣で時系列にみごとにまとめ上げたチーム。
カウンセリングのフルコースです。
実際にカウンセリングルームを訪れたイメージで下記をご覧ください。
想像するだけで癒されますね。本能に訴える素晴らしい流れ。そして朝までコースですね。悩みや課題を解決するという視点から大胆にジャンプしているところもマンガっぽい!
各チーム、マンガの中のキャラクターの個性や参加者の価値観が色濃く反映され、見応え、聞きごたえのあるプレゼンテーションでした。お見事!
プレゼンターの中にはキャラクターになりきってセリフを発表する人も… 大盛り上がりのうちに、ワークショップは終了しました。
その後、参加者全員で懇親会。Sewのすてきなカウンターを囲んで、みんなで乾杯!
各自で持ってきたマンガを並べ、それをネタに語りあいながらの「マンガ飲み」。最高ですね。
語りのエンターテイナー、ブックピック川上さんの周りには人だかりが。
オマケ企画として、プロジェクターを利用してこんな遊びも。男性に大盛況でした。
あっと言う間に夜が更け、大盛況のうちにイベントの幕が閉じました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。またお会いしましょう!
(ソウ)
株式会社岡村製作所様が運営している創造イベント空間です(岡村製作所と言えば、オフィス用品で有名ですよね。会社にお勤めの方はオフィスで自分が座っているイスの背中を見てみてください。「okamura」と書いてあったらそれですよ)
特徴的なのは、出来上がったイベントを実施するためだけの場ではなく、その空間から新しい出会いや面白い企画が生まれていく、現在進行形の創造工房であること。
今回のイベントの他にも、他では体験できないようなイベントを随時開催しています。ご興味ある方はぜひチェックを!
ホームページ
(ブックピックオーケストラ)
「本のある生活をふやすために、新たな本のあり方を模索し、人と本が出会う素敵な偶然を演出するユニット」(HPから引用)です。
代表の川上さん、メンバーの鬼島さんはマンガナイトとも非常に縁が深い人物。ワークショップの企画経験が豊富なお二人に今回はアドバイスを頂きながら企画を作り上げました。
ホームページ

2月9日(土)、「マンガナイト読書会―2012年大総括」が行われました! 今回はマンガナイトの原点に立ち返るような、アットホームなスタイルの読書会となりました。名称を「マンガナイト読書会」とリニューアルしての開催となった本イベントは、天候にも恵まれ、30名以上の方にお越しいただきました!
会場は初お目見えの、下町の路地裏にたたずむ「Bremen Cafe」。優しい木のぬくもりが感じられるお店です。店長も親しみやすく、食事もおいしい素敵な隠れ家的なカフェです。

今回のテーマは、「2012年のお勧めマンガ」。参加者の皆さんには、イチオシのマンガを持参してもらいました。2012年に発行されたマンガでなくても良いということもあり、実に多彩なラインナップとなりました。「唸った」「キュンとした」「泣いた」「笑った」の4つのテーマに持ち寄ったマンガを振り分けたら、後は開始を待つばかりです!
17時40分、マンガナイト代表山内の挨拶で読書会がスタートしました。まずは各グループで自己紹介とマンガの紹介が行われました。輪の中からは時折笑い声が起こり、和やかな雰囲気で進んでいきます。
その後、マンガリーディングタイムに入ります。自己紹介の時とは打って変わって、皆さんとにかく熟読しています。大変真剣です。ものすごい集中力です!「笑った」のグループからも笑い声が聞こえてこない…… まさに恐るべし、マンガの力、です。
約1時間後、マンガの回し読みを終えた所で、発表用のお勧め作品を選んでいきます。たくさんのマンガの中から、どれが選ばれるのか…。どれも名作ぞろいなのでドキドキします。
各グループの準備が整った所で、いよいよ結果が発表されます。まずは会場奥のテーブルの「唸った」グループ。ここでは4冊が選ばれました。
「シスタージェネレーター」(沙村広明)…知らない世界を教えてくれる。次にお隣の「キュンとした」グループ。こちらも4冊選んでもらいました。
「かくかくしかじか」(東村アキコ)…美大を目指す主人公に心動かされる。挫折した人に読んでほしい作品。続いて、「泣いた」グループ。こちらはテーブルではなく、緑のラグマットに直接座っての読書となりました。まるで芝生のようで気持ちよさそうです。ここでは2冊が選ばれました。
「式の前日」(穂積)…10ページ程度の短編が詰まっていて、泣ける作品。最後に入り口付近の「笑った」グループ。こちらも青いラグマットでの読書会です。家にいるかのようなくつろぎモードになっていた方もいらっしゃいました。こちらは2冊を選んでくれました。
「かくかくしかじか」(東村アキコ)…自意識過剰な主人公が面白い、キャラクターがぶっとんでいる。なんと、「かくかくしかじか」が「キュンとした」「笑った」の2グループで取り上げられる快挙を成し遂げました! すごい人気です! 笑えて切ないという両方の側面を持っている所が選ばれた理由のようです。
第1部はこの後、講評と代表の締めの挨拶があり、最後に「マンガにありがとう!」という掛け声で和やかに終了しました。
続いて第2部は懇親会が行われました。第1部で紹介されたマンガを熱心に読む人あり、初めて会った人とマンガの話で盛り上がる人あり… 皆さん楽しいひとときを過ごしていました。恒例の現役書店員カズノコ氏のブース「カズノコGX オススメマンガコーナー」や、マンガナイト女子部のコーナー(今回は「オンナのドロドロ」がテーマ)も安定の人気ぶりを見せていました。
また、漫画家戸城イチロ氏の似顔絵ブースも展開され、大好評でした!
最後に恒例の写真撮影があり、お開きとなりました。
ご参加いただいた皆さん、そして「Bremen Cafe」のスタッフの方々、どうもありがとうございました。
今回も「マンガを介して人とつながる楽しさ」を満喫できるイベントになったと思います。
これからも引き続きマンガナイトでは読書会を定期的に開催する予定です。
次回、またお会いいたしましょう!(EK)

2013年2月18日(月)、マンガのイノベーションを目指す交流サロンの第0回トークイベントに、代表 山内康裕がボードメンバーとして出演します。
毎回、話題のニュースや人物、新たな技術やビジネスをテーマにトークライブやイベントを行います。このcafeを機会としてオープンイノベーションの研究会やプロジェクトを創り出していく導入部にもなります。
詳細とお申し込みはこちらになります。

WEBマガジンgreenz.jpとのコラボレーション連載「マンガ×ソーシャルデザイン」の第二回「マンガの新たな楽しみ方とは? 内沼晋太郎さんと語る、マンガの未来(前編)」が掲載されました。

告知用TwitterアカウントやFacebookページといったSNSでは、スタッフブログや制作の裏話なども楽しめる。
映像、マンガ、舞台、ウェブ、ウェブマンガ、ソーシャルメディア… ひとつのストーリーで一体どこまで拡張していくのだろうか。
これは2013年1月19日に日本テレビで放送がスタートしたテレビドラマ「泣くな、はらちゃん」のことだ。
ドラマの主人公は大人しい性格の越前さん(麻生久美子)。彼女は勤務先のかまぼこ工場での人間関係からストレスを抱えていたが、あまり口に出して主張するタイプではないのか、愚痴や主張をぐりぐりとマンガとして描くことで発散していた。
そのマンガの主人公がはらちゃん(長瀬智也)だ。ひょんなことからはらちゃんはマンガの世界から現実世界へと飛び出し、越前さんの前に現れる。
描かれている舞台は居酒屋のコマのみなので、その居酒屋がはらちゃんと他の登場人物たちの世界の全てであり、世界を描く越前さんは神様としてドラマでは描かれている。
一つの物語であらゆるメディアを巻き込み、メディアミックスというよりはもはや“メディアのサラダボウル”状態な同作品。
マンガの世界から見たこちら側(現実世界)を描くことで、テレビの前にいる私たちをもその中に取り込もうとしている。
そして、それを描くにはマンガよりも映像のほうが適しているのかもしれない。
これまで、マンガを原作に映像化や舞台化することはあっても、ドラマの作中でマンガを題材として扱い、このような形で拡張させていく作品は無かったのではないだろうか。
さらに注目したいのが、作中のマンガ部分や全てのイラストを手がける漫画家・ビブオだ。
『ビビトトレーハ氏の招待』で「月刊IKKI」(小学館)の新人賞・第38回イキマンを受賞後、2010年に『シャンハイチャ—リー』を発表。ハイテンション兄弟ハートフルコメディと、愛くるしいキャラクターを描き漫画家としてデビューしたが、期待していた続編は刊行されずじまいだった。
物語で明かされていない部分も多く、続編が無いこと自体にも、新たなマンガが発表されないことにも、残念な気持ちで過ごすこと2年以上——しかしここで突如として返り咲き。
天晴な気持ちでもある。
ドラマ放送後はウェブ上で「絵を描いている人は誰?」「マンガの絵もいい」という評判も。ビブオのTwitterアカウントをみてみると、ドラマの初回放送後にフォロワー数が急上昇し、およそ400ほどだったフォロワー数は2000を超えた。
知名度も上がり、漫画家として新たな飛躍を期待せざるを得ない。
一体どういったいきさつで、ビブオがドラマのマンガ部分を手がけることになったかはわからないが、ふだんマンガを読まない層にもさらりと響く、親しみやすくキュートな絵柄が視聴者の心を掴んだのは間違いない。
ビブオが描いたマンガ部分は、「泣くな、はらちゃん」ウェブサイトに「越前さんの漫画ノート」として掲載されている。
放送終了後にドラマに登場したものがウェブ掲載され、視聴者はウェブとドラマを行き来するのだ。
「泣くな、はらちゃん」はコミックスが存在するわけではないが、マンガ部分が気になった人はビブオの名前を検索し、『シャンハイチャ—リー』に辿り着く。
さらに一歩進めば、「月刊IKKI」とは何ぞや、他の掲載作品は何なのか、ちょっと見てみようか… となる(ことに期待したい)。
この相互拡張性は今後の一つの指標となるかもしれない。
関連サイト
IKKI公式サイト[イキパラ]
「泣くな、はらちゃん」

「マンガナイトの本棚」が、渋谷駅と恵比寿駅の中間に位置する無添加・オーガニック素材を使った料理のお店 consequenceにも設置されました。
活躍中の漫画家さんの懐かしい短編作品中心にセレクトしています。店内で閲覧できますので、気になる漫画家さんを発見したら、書店で最新をチェックしてみてください。
マンガナイトのオリジナルプロダクトも販売しています。
マンガナイトの本棚

『暗殺教室』は2012年に週刊「少年ジャンプ」で連載が始まり、現在単行本2巻まで刊行されている。
舞台は現代の私立学校。成績などでクラスが分けられており、劣等感の強い「E組」に、世界を滅ぼす力を持ち、各国が狙う暗殺のターゲットが「先生」となる。第1話の冒頭で、クラスの全員が挨拶の合図と同時に銃を向ける表現が象徴するように、E組の生徒らは国の訓練を受けつつ暗殺をねらうことになる。
「世界の滅亡」「暗殺」「子供が世界の救世主」と、一見トンデモ世界の設定。暗殺のターゲットとなり、「殺せんせー」と名付けられた先生は、つるりとした丸い頭、8本の手足と、およそ人間離れした外見で、マンガを娯楽として楽しむ要素も高い。
だが、学校内に存在するヒエラルキー、いつ自分が最下層に転落するかもしれないおそれなど現実社会の厳しさを正面から描いているところが読者を物語の中に引きこむ。「教室内(スクール)カースト」(鈴木翔氏)が描くように学校内のヒエラルキーはすでに絵空事ではない。大人の社会も「格差社会」といわれ、リストラなどでいつ自分が最下層に転落するかわからない不安定さ。そのような境遇におかれた現代人に、この作品は身につまされるものとして訴えかけている。
組織の中に当然発生するヒエラルキーや格差を冷徹に描きつつ、けして後味が悪くないのは、その現実への解決策のひとつを提示しようとしているからだ。それが対立する「殺せんせー」によるE組生徒らの底上げだ。「暗殺」という課題を与えられた「E組」の生徒は、殺せんせーを暗殺対象として狙いつつ、その殺せんせーから一般教科を習うことで、暗殺技術という武器だけでなく、「第二の武器」=成績の上昇などを手にするのだ。もちろん、どんなに能力が高くてもひとりでつっぱしっては目標を達成できず、周囲の同じ目的を持つ仲間と連携することの重要さも描かれる。
生徒たちはけして超人的な能力を持たず、自然に殺せんせーとの勝負は頭脳勝負が中心になる。人気のある少年マンガ『ONEPIECE』や『HUNTER×HUNTER』ではバトルモノであるためどうしても最後は物理的な力と力のぶつかり合いになる。だが暗殺教室では、暗殺しやすい場所に殺せんせーを追い込むためのコース設計が修学旅行の課題になるなど、頭脳や知恵を使った戦いの面白さを描く。生徒たちは情報収集の必要性も自然と学び、男女の区別なく力を発揮できる。『ドラゴンボール』や『北斗の拳』などはいかに肉体的力を高めていくかが勝負の決め手になっていたが、『ジョジョの奇妙な冒険』以後、力技だけではない、頭脳勝負を主眼に置く作品も出てきており、ジャンプの伝統のひとつでもある。
けして超人ではない、自分と近い存在が周りと協力して一つの目標に向かっていく———小中学生の時にこれを呼んでいたらどのような感想を持つのだろうか。大人が共感できる作品だが、こどもに読ませたいと思える、直球の少年マンガという側面も強い。娯楽と社会性の両立こそ、もともと子ども向けメディアとして成長してきたマンガの真骨頂だろう。
情報誌「おとなファミ」に掲載された著者へのインタビューの中では、どのように終わらせるかのアイデアもあるそうだ。週刊少年ジャンプのセオリーである「友情・努力・勝利」のうち「勝利」はまだ出てきていない。殺せんせー、生徒、両方にとっての「勝利」をどう描くのか楽しみだ。

1月28日(月)19:00〜21:30「マンガ家向け確定申告講習会2013@東京〜原稿に集中するための税務・節税対策」に代表 山内康裕(税理士)が登壇します。マンガ家の確定申告に役立つ冊子「税金」のPDF版も期間限定無料配布中(〜1月28日)です。

2月9日(土)に主催イベント「マンガナイト読書会―2012年大総括」を開催します。 今回のイベントは、マンガナイトではお馴染の小グループでのマンガを回し読みと、読んだマンガや感想の共有となります。参加のお申し込みは下記のフォームからお願いします。
会場にはメンバーお薦めマンガコーナーも用意。新しいマンガに出会えることはまちがいありません。
※ 過去のイベントの様子はこちらから
今回のお題は「2012年のお勧めマンガ」。2012年に読んで「これはおもしろかった」「これはぜひみなに勧めたい」という作品をお持ちください(2012年に出版されたものでなくてもOK)。持ち寄ったマンガにまつわるエピソードを共有できればと思います。
会場は、東京下町にオープンした「Bremen cafe」。思う存分マンガを楽しんでいただきたいと思います。
最近マンガを読んでいない方から、ヘビーリーダーの方まで、マンガを介して気軽にコミュニケーションが生まれ、新しいマンガに出会えるイベントです。みなさまのご参加をお待ちしております。
【マンガナイト読書会―2012年マンガ大総括】
都営新宿線・大江戸線 森下駅 A2出口より徒歩1分
大きな地図で見る

1月17日(木)19:00〜22:00開催のグリーンズ主催イベントgreen drinks Tokyo「マイプロCAMP!!!」にマンガナイト代表 山内がゲスト出演します。greenz.jpで連載中の「マンガ×ソーシャルデザイン」の話や、どんな連載を読者は求めているのかなどのテーマで議論をする予定です。

去る12月8日(土)2k540AKI-OKA ARTISAN・Cafe Asanにて、「マンガナイトトークイベント 2012年度マンガドラフト会議〜書店員バトル〜」を開催しました。
「マンガドラフト会議〜書店員バトル〜」では、『このマンガがすごい!』など各マンガランキングの選者や、コミック担当のツワモノ書店員がつどい、2012年マンガランキングの予想バトルを展開。
狙っている選手を指名する野球のドラフト会議のように、どのマンガを自分の予想として立てるか指名していきます!
各自、一斉にどのマンガがマンガランキングの上位を飾るか一冊ずつ明らかにしていき、もしも同じマンガを指名してしまった場合は、くじで勝負。
勝ったほうが自分の予想にそのマンガを入れることができます。「同じマンガは指定できない」——これが、このマンガドラフト会議が白熱する理由なのです!
マンガを指名した後は、なぜそのマンガを指名したか、そのマンガの魅力を語ってもらいます。
また、マンガランキングの予想とともに、「ごく個人的な好みでこのマンガを推薦!」というマンガを「隠し球」として3つ挙げてもらうのもこの戦いの特徴。
最終的に、自分が予想したマンガが最もマンガランキング(『このマンガがすごい!』『このマンガをよめ!』『マンガ大賞』)の上位に多く入っていた人が勝者に。
このため、勝負の勝敗は2013年3月に発表される『マンガ大賞』発表後に、再びこのメンバーで答え合わせトークイベントを開催し決着することになります。——勝敗のゆくえはいかに! 乞うご期待!
今回の参加者は次の4人。
※「隠し球」の×印は、マンガランキング予想時にそのマンガが指名されたため無効になりました。