マンガナイトトークイベント 2012年度マンガドラフト会議〜書店員バトル〜

決め
当日(12月8日)の様子をご視聴いただけます!

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去る12月8日(土)2k540AKI-OKA ARTISANCafe Asanにて、「マンガナイトトークイベント 2012年度マンガドラフト会議〜書店員バトル〜」を開催しました。

会場

「マンガドラフト会議〜書店員バトル〜」では、『このマンガがすごい!』など各マンガランキングの選者や、コミック担当のツワモノ書店員がつどい、2012年マンガランキングの予想バトルを展開。

狙っている選手を指名する野球のドラフト会議のように、どのマンガを自分の予想として立てるか指名していきます!

各自、一斉にどのマンガがマンガランキングの上位を飾るか一冊ずつ明らかにしていき、もしも同じマンガを指名してしまった場合は、くじで勝負。

勝ったほうが自分の予想にそのマンガを入れることができます。「同じマンガは指定できない」——これが、このマンガドラフト会議が白熱する理由なのです!

マンガを指名した後は、なぜそのマンガを指名したか、そのマンガの魅力を語ってもらいます。

また、マンガランキングの予想とともに、「ごく個人的な好みでこのマンガを推薦!」というマンガを「隠し球」として3つ挙げてもらうのもこの戦いの特徴。

最終的に、自分が予想したマンガが最もマンガランキング(『このマンガがすごい!』『このマンガをよめ!』『マンガ大賞』)の上位に多く入っていた人が勝者に。

このため、勝負の勝敗は2013年3月に発表される『マンガ大賞』発表後に、再びこのメンバーで答え合わせトークイベントを開催し決着することになります。——勝敗のゆくえはいかに! 乞うご期待!

決め

今回の参加者は次の4人。

あおい書店(横浜店)コミック担当 石田真悟
あゆみBOOKS(五反田)コミック担当 太田和成
往来堂書店(千駄木)コミック担当 三木雄太
マンガナイト代表 山内康裕

予想

石田

  1. きょうは会社休みます。(藤村真理)
  2. ラストゲーム(天乃忍)
  3. ボールルームへようこそ(竹内友)
  4. はじまりのにいな(水森暦)
  5. 千年万年りんごの子(田中相)
  6. 彼女とカメラと彼女の季節(月子)
  7. 軍靴のバルツァー(中島三千恒)
  8. 隠し球1 ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ(大沢やよい)
  9. 隠し球2 プラスチック・サージェリー(円城寺真己)
  10. 隠し球3 ひそひそ(藤谷陽子)

太田

  1. 式の前日(穂積)
  2. ハイスコアガール(押切蓮介)
  3. ぼくらのフンカ祭(真造圭伍)
  4. ハイキュー!!(古舘春一)
  5. マスタード・チョコレート(冬川智子)
  6. 君が心に棲みついた(天堂きりん)
  7. 星屑クライベイビ—(渡辺カナ)
  8. 隠し球1 姉の結婚(西炯子)
  9. 隠し球2 Latin 高畠エナガ短編集(高畠エナガ)
  10. 隠し球3 ×

三木

  1. すみれファンファーレ(松島直子)
  2. 人間仮免中(卯月妙子)
  3. ぼおるぺん古事記(こうの史代)
  4. 竜のかわいい七つの子(九井諒子)
  5. 銀の匙Silver Spoon(荒川弘)
  6. 日々ロック(榎屋克優)
  7. ゴーグル(豊田徹也)
  8. 隠し球1 かくかくしかじか(東村アキコ)
  9. 隠し球2 変身のニュース(宮崎夏次系)
  10. 隠し球3 暗殺教室(松井優征)

山内

  1. テラフォーマーズ(橘賢一、貴家悠)
  2. VIVO!(瀬川藤子)
  3. 俺物語!!(アルコ、河原和音)
  4. Sunny Sunny Ann!(山本美希)
  5. 山賊ダイアリー(岡本健太郎)
  6. リーチマン(米田達郎)
  7. BABEL(重松成美)
  8. 隠し球1 斉木楠雄のψ難(麻生周一)
  9. 隠し球2 ×
  10. 隠し球3 子供失格(松山花子)

※「隠し球」の×印は、マンガランキング予想時にそのマンガが指名されたため無効になりました。

黒板リスト

「2/11メディア芸術祭ツアー」レポート

当日ツアーコンダクターを務めた、マンガナイト代表山内によるレポートをどうぞ!

当日は14:30に集まりスタートしました。
特に並ばずに入場できてほっとしました(昨年、休日に行ったら入場制限だったので)。
それでも、会場内に入ると大勢の人ですごい熱気。
圧倒されつつ、まずはマンガ部門ブースを見学。
マンガナイトメンバーもぱらぱらと集まり、集まる都度マンガ部門ブースをから見て回りました。最終的には6人で楽しく見学。

結局シンポジウムには参加しませんでしたが、マンガ部門ブースはもちろんのこと、アニメ部門・エンタ部門・アート部門もぐるっと回り芸術祭を満喫しました。

どの部門も楽しかったのですが、ここはやはりマンガ部門をレポートします。

今回のマンガ部門の受賞作は、

■大賞
幸村誠『ヴィンランド・サガ』
ヴィンランド・サガ 8 (アフタヌーンKC)
■優秀賞
三宅乱丈『イムリ』
イムリ 1巻 (BEAM COMIX)
五十嵐大介『海獣の子供』
海獣の子供 1 (IKKI COMIX)
こうの史代『この世界の片隅に』
この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)
山田芳裕『へうげもの』
へうげもの―TEA FOR UNIVERSE,TEA FOR LIFE (1服) (モーニングKC (1487))
■奨励賞
ウィスット・ボンニミット『ヒーシーイットアクア』
ヒーシーイット―アクア
でした。

これらの作品は、個別にブースが組まれていて、原画(複製原画)が飾られていました。
やはり、カラー原稿は生でみると迫力がありましたね。
さらに、ブースの壁には、この日のために書いたと思われるちょっとしたイラストがプリントしてあって良い雰囲気でした。

おまけ(?)としてですかね、大賞の「ヴィンランド・サガ」の作品中に登場する鎧も飾ってありました。あまり見ている人もいませんでしたが…
部門総評によると、「ヴィンランド・サガ」と「へうげもの」で最後まで争った結果、一票差で「ヴィンランド・サガ」が大賞に決まったとのことです。
歴史対決「王道」対「変化球」になったようですね。

ちなみに審査員長はしりあがり寿さん(代表作「弥次喜多 in DEEP」)でした。
この他、会場には審査委員会推薦作品も展示されていました。
推薦作品は、いわゆるプロの漫画家作品だけではなく、「自主制作マンガ」や「WEBマンガ」「携帯マンガ」も展示されていて興味深かったです。

特にWEBマンガでは、新しいマンガっぽいモノの形を垣間見ることができて面白かったです。
中でも「遠山曜、傘下逆『2K庭付き幽霊憑き』」は、伝統的な「紙」のマンガで手が届かないところをWEBにより解消・発展させている感じを受け、好きでした。
閲覧はこちら

個人的には、マンガは「紙」だと思っていて、「紙」のマンガをWEBやケータイで閲覧できるようにしても、「紙」のマンガを超えることはないと思っていますが、作者が「紙」というメディアを第一におかず、WEBやケータイという紙以外のメディアで見られることを第一に意識して創作したモノには好感を持っています。

ただ、それは「マンガ」というより、マンガ的な新しいモノだと思いますが。

最後は、少し個人的な意見も書かせていただきましたが、ご愛嬌ということで。

メディア芸術祭見学後は、マンガ部門受賞作をみんなで回し読みして、マンガナイトメンバーが選ぶマンガ大賞を選ぶことに。
新たに数人合流し山内宅に移動し、食べながら飲みながら、回し読み!
なぜか黄色い子も参戦!?

がっつりみんなで回し読んだ後、いよいよマンガナイト的マンガ大賞の選考を開始。話し合いでは決まらず投票制に移ったところ、奇しくも、本番の選考委員会と同じく「ヴィンランド・サガ」と「へうげもの」に票が集まる結果に。

その後、決選投票を行った結果、一票差で「へうげもの」がマンガナイト的マンガ大賞に決まりました。「王道」の「ヴィンランド・サガ」と争いを演じながらも、最後は「変化球」の「へうげもの」に決まるというのが、マンガナイトっぽくて、ちょっと嬉しかったです。あと、番外編!?「ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』」が大人気でした!

とにかく、マンガは熱かった!

※このようなちょっとした集まりは、マンガナイトメーリングリストに告知を流しています。マンガナイトメーリングリストは、マンガナイト主催イベント時に登録を受け付けています(次回は3/27 Manga Reading Night+)。

文=山内康裕
1979年生。法政大学イノベーションマネジメント研究科修了(MBA in accounting)。 2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。 イベント・ワークショップ・デザイン・執筆・選書(「このマンガがすごい!」等)を手がける。 また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、“マンガ”を軸に施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。 主な実績は「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「池袋シネマチ祭2014」「日本財団これも学習マンガだ!」「アニメorange展」等。 「さいとう・たかを劇画文化財団」理事、「国際文化都市整備機構」監事も務める。共著に『『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方(集英社)』、『人生と勉強に効く学べるマンガ100冊(文藝春秋)』等。