私は最高に面白いと思うのに、読ませた人も、Amazonのレビューもいまいち奮わないマンガ。朝起きて、目覚ましを止める手の返す刀でカーテンを開け、お湯を沸かしながらハミガキする…少し前に紹介した「大東京ビンボー生活マニュアル」と同じく、ハウツーの筈が次第にエッセイと化していくのはこの手のマンガのお決まりのようだ。思へらく、この現象はある種の「道」を説明する上での避けられないパターンなんじゃないか。道を説くには、論語や禅の公案のように、祖師の具体的な行為や言動をただ例示することが一番であり、その解釈は読者に委ねることで、時代や風土を超えた頑健性が得られるのだろう。「ダンドリくん」、残念なのは長らく絶版であることだが…あっ電子書籍版が出たんだ!もしかしたらあなたは好きかもしれないから読んでみて!
投稿日: 2015年5月14日
文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。