月は囁く

探偵漫画が数多く存在する中、“顔の表情”を分析して事件を解決する新手の探偵が現れた。
「月は囁く」は、天才心理学者の美少女・月(ユエ)が、刑事である義兄の陽一と事件を解き明かしていく作品。
その推理の術は、人の容貌・骨格から心理を判断する中国の学問「観相」だ。
容疑者に質問を投げかけ視線から嘘を見抜いたり、眉間の色合いから犯人の目星をつけたり。「48種の表情筋の組み合わせが真実を語るんだ」と、観相の科学的知識に基づいてユエは捜査を圧倒的有利に進めていく。
江戸川コナンでも金田一一でも踏めないプロセスと、スピード感が新感覚。飲み会や面接など実際の生活で試してみたくなる、観相の入門書としても最適だ。

文=黒木貴啓
1988年生、鹿児島出身、東京在住のライター。マンガナイトでは執筆を担当してます。ロックンロール、もしくは仮面が題材の漫画を収集&研究中。大橋裕之「音楽と漫画」、榎屋克優「日々ロック」、そして何よりハロルド作石「BECK」……日本人が成したことないロックの魔法を漫画のキャラが見せてくれるところに、希望を感じてしまいます。