ナルトが完結した週刊少年ジャンプの次世代エース候補。王道のヒーロー漫画の系譜を歩みながら、その言葉の使い方が秀逸で今の時代をとらえている。それは、特殊能力や天才的才能を「個性」と表現したことだ。「“個性”が無くても ヒーローは出来ますか!?」と、主人公は問う。個性があることが「是」であり、無個性であることが「否」であるということが前提であるこの作品の設定が若年層に受け入れられ始めているということに、時代の変遷を感じる。今後のヒットの度合いが気になる作品の一つだ。
投稿日: 2015年2月17日
文=山内康裕
1979年生。法政大学イノベーションマネジメント研究科修了(MBA in accounting)。
2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。
イベント・ワークショップ・デザイン・執筆・選書(「このマンガがすごい!」等)を手がける。
また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、“マンガ”を軸に施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。
主な実績は「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「池袋シネマチ祭2014」「日本財団これも学習マンガだ!」「アニメorange展」等。
「さいとう・たかを劇画文化財団」理事、「国際文化都市整備機構」監事も務める。共著に『『ONE PIECE』に学ぶ最強ビジネスチームの作り方(集英社)』、『人生と勉強に効く学べるマンガ100冊(文藝春秋)』等。