響子と父さん

定年退職して1年の父と長女響子の日々。大抵のことはかみ合わないが、大事なところは理解しあえている父と娘の「絶妙な距離感」が温かい。響子と対照的に家出中の次女春香、そして大体旅行中の妻の存在も相まって、家族というつながりについて考えさせられる。1巻完結だが、『ネムルバカ』とつながりがあるところもファンにはたまらない。

文=青柳拓真
1992年生。10代の多くをシンガポールで過ごす。何度も読み返してきた漫画は「ジョジョの奇妙な冒険」、「鈴木先生」、「それでも町は廻っている」、「三月のライオン」、「魔人探偵脳噛ネウロ」など。漫画の面白さって何なんだろう、「漫画」ってどう定義できるんだろう…とか色んな作品を読んで考えるのが楽しい。オールラウンドなマンガ読みを目指して最近は恐る恐る少女漫画に挑戦中。