鈴木先生

絶対的な正しさの存在をぼんやりと信じていた中学生の私に、物事にはグレーゾーンがあるということを教えてくれた作品。中学校教員の鈴木先生が生徒の悩みを解決していく…とだけいえばよくありそうな話ですが、『鈴木先生』のすごいのは問題の本質をひたすら考え抜くことから全てが始まること。「常識」に与せず徹底的に考え、その信念に基づいて行動する。自分の頭で考えるとはどういうことか、私は鈴木先生に教えてもらいました。

文=青柳拓真
1992年生。10代の多くをシンガポールで過ごす。何度も読み返してきた漫画は「ジョジョの奇妙な冒険」、「鈴木先生」、「それでも町は廻っている」、「三月のライオン」、「魔人探偵脳噛ネウロ」など。漫画の面白さって何なんだろう、「漫画」ってどう定義できるんだろう…とか色んな作品を読んで考えるのが楽しい。オールラウンドなマンガ読みを目指して最近は恐る恐る少女漫画に挑戦中。