Little Nemo

モノと情報にあふれている今、現代人の想像力は100年前の人間よりその範囲を遥かに広げている筈、そんな思い込みを粉砕してくれた作品。少年ニモの夢のなか、軟体動物のように歪むベッド、超巨大なキノコの国、60種類以上の動物が詰め込まれた1ページ…その奇想に実体を与える圧倒的な観察力と、独特な色遣いに吸い込まれてしまう。アマゾンでは発売当初より少し高くなってるけど、まだまだ内容に見合う価格だと思うし、もし書店で定価で見かけたら絶対買った方がいい。あと、マフラーを巻いたフクロウのキャラがかわいい。

文=本多正徳
1980年、広島生まれ。専門出版社勤務。マンガナイトではすっかりイジラれ担当になってしまった最近(!?)。男子校の寮でマンガの面白さに目覚めました。好きなジャンルはガロ系とヘタウマ系。藤子不二雄やつげ義春、水木しげるなどの古典的ナンバーも得意。心のマンガは『ダンドリくん(泉昌之)』『サルでも描けるまんが教室(相原コージ、竹熊健太郎)』でしょうか… ほかの趣味は読書、囲碁・将棋と悲しいほどのインドア派。ウェブサイト/グッズ制作を担当。