マンガナイト読書会―大事なことはマンガから教わった編

10月20日(日)、「マンガナイト読書会―大事なことはマンガから教わった編」が開催されました。イベント当日はあいにくの空模様でしたが、それにもかかわらずたくさんの方が駆けつけてくれました。

会場は、早稲田大学近くの「Le Cafe RETRO(ル・カフェ・レトロ)」。学生街の中にある落ち着いた雰囲気のカフェです。ちなみに昨年の秋もここで読書会が開催されました。

今回は場所にふさわしい、「学び」がテーマです。参加者の皆さんには、読んで知識を得たり、感銘を受けたりしたマンガを持参してもらいました。そして「生き様」「暮らし」「お仕事」「愛」の4つのキーワードから一つを選んでもらい、チーム分けをしました。

18時30分、代表の山内の挨拶で読書会開始となりました。まずは各チームで自己紹介とマンガの紹介をします。それぞれ人数は6名程度で、どこも男女半々くらいとなりとてもバランスの良い印象を受けました。

全体1全体2

自己紹介が終わるといよいよ、マンガリーディングタイムに入ります。この時間の皆さんの集中ぶりは凄いものがあり、その真剣さと熱い静けさに店員の方も驚いていました。

約1時間後、マンガの回し読みを終えた所で、今度は発表用のオススメ作品を選んでいきます。たくさんのマンガの中からどれが選ばれるのか? 今回も名作ぞろいなのでドキドキします。

各グループの準備が整った所で、いよいよ結果が発表されます。まずは「暮らし」チーム。終始和やかなムードを漂わせていました。

暮らし1暮らし2

「暮らし」チームでは、独特の世界観を持つマンガ「アタゴオル」で幼児性の大切さを学んだ、「最強伝説 黒沢」の主人公の気の使い方が反面教師になった、という意見が出ました。「イエスタデイをうたって」は日常の中で積み重ねられる心の動きがよく描かれていると発表されていました。どれも全くタイプの違う作品で、暮らしの形も様々、そこから学び取ることも多様であることがよくわかりました。

次に「お仕事」チーム。ここではタブレットでマンガを読んでいて、時代は進んだなあとしみじみさせられました。
お仕事1
女性社員の日常を描いた「Good Job」はリアルなショムニのようで、女性社員の本音が知りたい男性社員にもおすすめとのことでした。「BLACK JACK」はブラックジャックが何のために高額な料金を取りお金を稼ぐか、その理由が明かされるエピソードにじんと来たとのことです。発表では取り上げられませんでしたが、「最強伝説 黒沢」がラインナップに入っており、福本伸行氏の作品の人気の強さがうかがえました。

続いて「愛」チーム。一番ノリが良く、楽しそうに談笑していました。
愛2
「JIN‐仁‐」のマンガ家村上もとか氏が40代の10数年をかけて描いた「龍‐RON‐」、ボクサーの鷹村と鴨川会長の師弟愛が泣ける「はじめの一歩」など、強く濃い「愛」が皆さんの関心を引いたようです。そしてまたもや福本作品が入りました。今度は「天」です。こちらは麻雀マンガなのに最後の3巻は説教ばかり続くという驚きの内容です。これも作者の愛のかたちなのかもしれませんね。

最後は「生き様」チーム。「生き様」は一番人気のテーマでした。

生き様1生き様2

まずは吾妻ひでお氏の「失踪日記」と「失踪日記2アル中病棟」。過去の経験を笑わせながら語れる作者に感動したそうです。これこそまさに生き様が表れているマンガといえるでしょう。そして松本大洋氏の「鉄コン筋クリート」と「ピンポン」。こちらは性格が正反対の人と付き合うことで、新しい世界が開かれる可能性を教えてくれる作品です。

小さなことから大きなことまで、マンガは本当に大切なことを、色々な表現で伝えてくれます。そのありがたさと、楽しさを改めて感じる日となりました。この後、代表の締めの挨拶があり、恒例の集合写真を撮って第1部は終了しました。

集合
続いて第2部は懇親会です。RETRO名物のオムライスなどをいただきながら、皆さんマンガの話で盛り上がっていました。今回はマンガをイメージした「マンガカクテル」もあり、その見た目や味でも楽しませてもらいました。

現役書店員カズノコ氏のブース「カズノコGX オススメマンガコーナー」も旬の新作マンガを取り揃えていて、大変好評でした。残念ながら本人は会場入りできませんでしたが、カズノコ氏のマンガ愛は伝わったのではないでしょうか。

kazunokoGX
今回ご参加いただいた皆さん、そして「Le Cafe RETRO」のスタッフの方々、どうもありがとうございました。次回、また冬にお会いいたしましょう!(EK)