ワークショップ「フキダシシェアリング」

去る1月25日(金)、ワークショップ型イベント「フキダシシェアリング」を開催しました。
このイベントはマンガナイト、Future Work Studio “Sew”(ソウ)、book pick orchestraによる初の共催企画となりました(

当日はスタッフ含め約20名が参加。参加者は30代が中心で男女半々といったところでしょうか。

参加者はワークショップで使いたいマンガを数冊持参。

Sewには備え付けの素晴らしい本棚があり、仕事や空間デザインにかかわる本や、厳選されたマンガが陳列されています。これらは全てSewを運営している岡村製作所の社員なら自由に借りられるとのこと。こんな本棚がある会社、素敵な会社に決まってる…!Sewの本棚2 Sewの本棚1この棚にマンガナイト代表山内が厳選したマンガが加わり、イベント当日だけのスペシャルマンガ棚が出現。ワークショップではこの棚のマンガも自由に使えるようになっていました。

さて、ワークショップ本編についてのレポートです。

当日は一度、「練習」をしてから本番を行いました。「練習」のお題は「新規事業」です。

まず、3人ひと組に分かれ、テーブルごとに着席します。各チームは、「新規事業」を立ち上げ、企画、運営するチームです。チーム内で自己紹介がてら、やってみたい事業や、自分であればどんな力でその事業に貢献できるかを話し合い、そのチームでやる「新規事業」を決めます。

そして、事業を成功させるのにベストなメンバーを実際のメンバー(リアル)3名+マンガの中のキャラクター(バーチャル)2~3名で構成し、発表します。マンガキャラを発表する時はそのキャラクターの性格や事業への貢献力を表現できそうなセリフとともに発表します。

ポイントは5人のメンバーの役割を明確にし、事業が成功しそうだ、と説得力を持たせ、聞いている人を納得させることです。 …「練習」なのになかなか難しそうですよね。

たとえばこのチーム。
アパレルチーム新規事業はアパレルの実店舗運営。前提としてWEB上のECモールは既に軌道に乗っており儲けがジャンジャン出ているとのこと。社長命令で実店舗まで拡大、潤沢な資金を使ってイケイケで事業を興します。

メンバー(リアル)は全員、実際にIT業界に身を置いていて、企画や骨組をつくる仕事をされているということで企画はリアルメンバーが行い、商品づくりをマンガの中のキャラクターに担わせることにしました。

店舗設計
ルシウス(テルマエロマエ)
ものづくりのディレクション
織部悠(王様の仕立て屋)「よござんす」
労働力(縫製)
サイバイマン(ドラゴンボール)「セリフなし」

サイバイマンとは、種を巻くと土から生えてくる、お手軽に増やせる労働者。ここでサイバイマンが出てくるとは…! という意外性と資本主義への皮肉とも受け止められるキャラクターチョイスに会場がどよめきました。

他にも、実際それやったらいいんじゃないの? と言ったような新規事業の発表や、参加メンバーのパーソナリティが浮き彫りになるような発表など、「練習」の時点でかなりハイレベル! これは本番も期待できそうです。

いよいよ、本番。お題は「どんな人も癒されてしまうカウンセリングルーム」です。カウンセリングルームチームをシャッフルし、今度はカウンセリングルームのメンバーをすべてマンガの中のキャラクターで構成することに。

こんなキャラクターに癒されたい、こんな風に癒されたい、でも「癒し」にもいろいろあって… などなど、参加者のイマジネーションが膨らみます。

マンガ棚にマンガを探しに行く人や、自分で持参したマンガから癒しのセリフを探す人… 決まったキャラクター、セリフを発表用の黒板に描き込んでいきます。選定中いよいよ、発表の時間です。ここでは2チーム、紹介します。

まずはカウンセラーのキャラクターを明確にわけ、バランス良くそろえたチーム。
バランスチーム1 バランスチーム2カウンセラーそれぞれの役割とキャラクターは以下のとおり。

聞き上手
「どうしたの? 元気ないね。(ごはんが出てくる)」おねいちゃん(3月のライオン)
助言上手
「占いは迷っていることに対してするものです。あなたはもう決心しているではありませんか」袁守誠(西遊妖猿伝)
叱り上手
「ちゃんと立ちなさい」「大人はもっと楽しいもんだよ。」先生(群青学舎)
言いくるめ上手
「実は…」カントク(珈琲時間)
いやし上手
パンダくん(シロクマカフェ)

聞き上手~叱り上手までは「なるほど!」と思うドンピシャのキャラクターで、会場の参加者もも深く頷いていました。

珈琲時間のカントクは、意外と「気づかせ上手」かもしれませんね。とてもユニークなキャラクターです。無論、パンダに勝てる癒しはないですよね。文句なし!

続いて、カウンセリングを受けにきた人へ癒しのフルコースといった趣で時系列にみごとにまとめ上げたチーム。フルコースチーム1 フルコースチーム2カウンセリングのフルコースです。

実際にカウンセリングルームを訪れたイメージで下記をご覧ください。

  1. 「ほんとにお客きたー!」…お出迎え
  2. 「渚のごはん、食べたいんだ」…まずはお腹を満たす
  3. 「とにかくビールを楽しもう」…そして飲む
  4. 「あったかいでしょう?」…添い寝
  5. 「1回好きになったもんはずっと好きだよ」…エンゲージメント(!)

想像するだけで癒されますね。本能に訴える素晴らしい流れ。そして朝までコースですね。悩みや課題を解決するという視点から大胆にジャンプしているところもマンガっぽい!

各チーム、マンガの中のキャラクターの個性や参加者の価値観が色濃く反映され、見応え、聞きごたえのあるプレゼンテーションでした。お見事!

プレゼンターの中にはキャラクターになりきってセリフを発表する人も… 大盛り上がりのうちに、ワークショップは終了しました。

その後、参加者全員で懇親会。Sewのすてきなカウンターを囲んで、みんなで乾杯!

各自で持ってきたマンガを並べ、それをネタに語りあいながらの「マンガ飲み」。最高ですね。並べ1 並べ2語りのエンターテイナー、ブックピック川上さんの周りには人だかりが。

川上さんオマケ企画として、プロジェクターを利用してこんな遊びも。男性に大盛況でした。

プロジェクター遊びあっと言う間に夜が更け、大盛況のうちにイベントの幕が閉じました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。またお会いしましょう!


※ 共催団体について

Future Work Studio “Sew”

(ソウ)

株式会社岡村製作所様が運営している創造イベント空間です(岡村製作所と言えば、オフィス用品で有名ですよね。会社にお勤めの方はオフィスで自分が座っているイスの背中を見てみてください。「okamura」と書いてあったらそれですよ)

特徴的なのは、出来上がったイベントを実施するためだけの場ではなく、その空間から新しい出会いや面白い企画が生まれていく、現在進行形の創造工房であること。

今回のイベントの他にも、他では体験できないようなイベントを随時開催しています。ご興味ある方はぜひチェックを!
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book pick orchestra

(ブックピックオーケストラ)

「本のある生活をふやすために、新たな本のあり方を模索し、人と本が出会う素敵な偶然を演出するユニット」(HPから引用)です。

代表の川上さん、メンバーの鬼島さんはマンガナイトとも非常に縁が深い人物。ワークショップの企画経験が豊富なお二人に今回はアドバイスを頂きながら企画を作り上げました。
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