いま読みたい、理想のマンガ雑誌とは!?

2015年10月25日(日)17:00より、立川市子ども未来センター内にある「立川まんがぱーく」にて、ワークショップ「まんが編集会議」を開催しました。今回は立川駅南口の商店街を舞台に、プロならではの知識や技術を学べる「立川南口街ゼミ」の一環として開催。まんが雑誌の編集者になりきって、コンセプトや付録に至るまで、チーム別にいま読みたい理想のまんが雑誌を考えてみようというものです。本企画、実は昨年マンガナイト5周年記念企画として同じくここまんがぱーくで開催し、大いに盛り上がったワークショップなのです。

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まんがぱーくの福士館長、マンガナイト代表山内からの挨拶が終わると、いよいよワークショップがスタート。集まってくれた10代~20代中心の皆さんにマンガナイトのメンバーも加わり、まずは2チームに分かれます。

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各チームに課せられたお題は「誰もが読みたくなる王道もののマンガ雑誌」と「とがった切り口のニッチなマンガ雑誌」の2種類。チーム内での自己紹介のあと、早速それぞれのお題に合わせ、どんなコンセプトで雑誌をまとめたいか意見を出し合います。だいたいのイメージができたところで、まんがぱーくの書架へ向かい各自の推しマンガをピックアップ。集まったたくさんの作品から、お題ごとに厳選した10冊を決めていきました。

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「同世代には間違いなく響くはず!」「いや、王道といえばこれしかないのでは!?」など、各自お気に入りの作品だけに議論にも熱が入ります。気づけば予定時間ぎりぎりになり、大慌てで最後の一冊を決めるという一幕も。

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掲載したい10冊が決まった後は、掲載順、雑誌のタイトル、そして付録までを決めて、別紙に清書し作業は終了。残るは発表タイムと、福士館長、代表山内による審査です。さて、勝負の行方は……!?

各チームの考えた理想の雑誌はこちら。

thisisjapanadolescence
buddiesloft

王道系としては、「AKIRA」「3月のライオン」などを通して東京オリンピックに向けて外国人に日本文化を知ってもらおうという『THIS IS JAPAN』、「ラブ★コン」「キスよりも早く」など大人になっても読みたくなる少女マンガを集めた『アドAdolescence』の2作品が発表されました。

続いてニッチ系として、「STEEL BALL RUN」「働かないふたり」など2人が主人公の“バディもの”を厳選した『BUDDIES』、「ちょびっツ」「放浪息子」などセクシャルマイノリティや少し変わった恋愛ものが楽しめる『LOFT~Love of Freeトキメキ~』が発表され、計4雑誌が出そろいました。

付録も、「東京オリンピック開会式の入場券」(『THIS IS JAPAN』)や、「読みながらニヤケ顔になってしまうのを隠すマスク」(『アドAdolescence』)など、それぞれの雑誌の個性が感じられるものになりました。
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福士館長(左)と代表山内(右)。和やかな雰囲気で講評が行われました。

「『THIS IS JAPAN』は、オリンピックが近くなると間違いなく喜んでもらえそうな内容。また、まんがぱーく来館者には若い女性も多いので、『アドAdolescence』のセレクションは参考になる。どちらも捨てがたいですね」(福士館長)ということで、王道系の審査結果は引き分け。

「『BUDDIES』も『LOFT~Love of Freeトキメキ~』も世相を反映している。いま読みたい人が多そうなセレクションで、どちらもなるほどと思う」(山内)という講評でしたが、福士館長の大好きな作品「うしおととら」が選定されているということで、ニッチ系では『BUDDIES』に軍配が上がりました(笑)。

審査&講評を終え、19:00にワークショップは終了。各作品はまんがぱーく館内で順次展開されます。

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発表してくれた2チームの皆さん。

終了後には、「あっという間の2時間でした。まだ何時間でも続けられるくらい楽しかったです」「好きなマンガについてこんなに熱く語れる場は初めて。新鮮でした!」「他の方の話を聞いて、読みたいマンガが増えました」など、参加者は口々に笑顔で話してくれました。

初対面の人同士、好きなマンガを通して熱く楽しく語り合い、新しいコミュニケーションが生まれていく現場がそこにありました。
ワークショップに参加してくださった皆さん、ありがとうございました!(Michiyo Tsuji)